兵庫県城崎温泉で「西村屋本館」「西村屋ホテル招月庭」を経営する西村屋はこのほど、6代目社長の西村肇氏(現会長)が社員の給料袋に毎月入れた便りを一冊にまとめた「社長かわら版」を発行した(写真)。
1995年8月から2011年12月までの16年間にわたり、毎月欠かさずしたためた便りをまとめた。自身の経営の考え方や社会の動き、身近で起こった出来事など、心に思うことを社員に語りかける内容になっている。毎回、およそ1千字に及ぶ、ボリュームのある中身となっている。
かわら版を始めた95年は、同社が旅館経営の集大成として招月庭の投資を行った年。同年1月は阪神淡路大震災が発生、旅館も大きなダメージを受けたが、「社員との絆の大切さを痛感した」として、便りを始めたという。
西村氏は1960年から35年間、同社社長に在任。城崎町長、国際観光旅館連盟副会長など、数々の要職を歴任している。