観光庁は8月31日、城や社寺を宿泊施設として活用する「城泊」「寺泊」の環境整備を促進する補助事業の支援先を選定した。城泊では大洲城(愛媛県)、平戸城(長崎県)を活用する事業2件、寺泊では比叡山延暦寺(滋賀県)や高野山(和歌山県)などでの滞在コンテンツの充実に向けた事業8件を選んだ。
正式な事業名は「観光振興事業費補助金(城泊・寺泊による歴史的資源の活用事業)」。城泊はすでに取り組みを実施中、もしくは計画が具体化している施設が支援対象。寺泊はすでに日本人向けに運営されている施設から選定した。
補助の対象となる経費は、客室の改修や施設内の多言語対応、情報提供、体験型コンテンツの造成などに要する費用。宿泊しながら日本文化などを体験できる施設として整備を支援し、訪日外国人旅行者の長期滞在などに生かしたい考えだ。
採択案件は次の通り。
【城泊】大洲城キャッスルステイ協議会(愛媛県大洲市)=大洲城キャッスルステイ新コンテンツ造成事業▽狼煙(長崎県平戸市)=平戸城城泊(キャッスルステイ)事業
【寺泊】おおま宿坊普賢院(青森県大間町)=宿坊事業および訪日外国人向け禅に関わる体験事業▽覚林坊(山梨県身延町)=訪日外国人観光客の実際の声を取り入れた本物志向の宿坊体験造成事業および情報発信事業▽善光寺(岐阜県高山市)=善光寺インバウンド受入体制強化および寺院体験コンテンツの拡充事業▽延暦寺(滋賀県大津市)=比叡山延暦寺・新しい生活様式に基づく“寺泊”に向けた、団体研修やワーケーションプログラムの策定▽常喜院(和歌山県高野町)=常喜院、常喜院密教瞑想・体験センター整備事業▽恵光院(和歌山県高野町)インバウンド平準化に向けた高野山ヘルスツーリズムプログラム▽大泰寺(和歌山県那智勝浦町)大泰寺民泊事業・インバウンド対応強化事業▽岩本寺(高知県四万十町)四国霊場札所岩本寺と清流四万十川に癒される旅(アッと四万十「!SHIMANTO」)