日本旅館協会の理事会が8日都内で開かれ、宿泊業界を挙げて取り組む外国人労働者の受け入れ態勢の整備に関して進捗(しんちょく)状況が報告された。政府が人手不足への対策で創設を目指す新たな在留資格と、技能実習法に基づく技能実習制度の活用を目指して準備が進められている。
外国人労働者の受け入れは、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会、日本ホテル協会、全日本シティホテル連盟と共に設置した「宿泊業外国人労働者雇用促進協議会」で推進。旅館協会では、労務委員会(山口敦史委員長=山形県・ほほえみの宿滝の湯)が施策を担当している。
新たな在留資格「特定技能」の創設に向けて政府は法改正を目指している。北原茂樹会長は「出入国管理法の改正法案が今国会で審議される。政府としては来年4月から新制度をスタートさせたいとのことで、われわれもその準備を進めていく」と意欲を示した。
進捗状況は労務委員会が報告。新たな在留資格「特定技能」の活用では改正法が成立し、受け入れ業種に宿泊業が選定されることを想定し、就労の条件となる外国人向けの技能試験を業界で整備する。技能実習制度では、「技能実習2号」移行対象職種への認定を目指し、厚生労働省の専門家会議による意見聴取、技能実習生向けの試験案作成などの準備を進めている。
旅館協会を含む宿泊業4団体では、「一般社団法人宿泊業技能試験センター」を9月27日付で法人登記した。新たな在留資格、技能実習生の受け入れに必要となる試験の運営を担う。理事会では、センターの当面の運営に必要な資金の拠出を承認した。