日本政府観光局(JNTO)の外国人向け総合観光案内所「JNTOツーリスト・インフォメーション・センター」(TIC、東京・丸の内)が12日にリニューアルオープンした。運営は三菱地所が受託している。災害時の対応や文化体験の提供などの強化をテーマに施設、設備を見直した。
自然災害が相次ぎ、災害時の外国人旅行者への対応が重視される中、停電などに備え、一度に20台の充電が可能なスマートフォン充電器とバッテリーが設置された。災害時の情報収集を強化するため、事務所に通常の電話回線とは別の災害専用電話も設けられた。
また、新設の多目的スペースは、ムスリム旅行者が祈祷室としても利用できるよう改装。ムスリム旅行者への災害時の対応では認証済みのハラル非常食も備蓄している。
旅行者ニーズの体験型観光へのシフトを踏まえ、着物体験を提供するためのスペースを拡張。簡単にはおることができる着物を無料貸し出しし、記念撮影などを楽しんでもらってきたが、着物の種類を増やし、着物たんすも設置した。
JNTOのTICは、日本全国、地方の観光情報の提供を重視している総合観光案内所だが、丸の内、大手町、有楽町といった周辺エリアの観光回遊も促進する。三菱地所の関連会社や地元のNPO法人が皇居や丸の内のガイドツアーなどを実施してきたが、11月からはイルミネーションが灯る街を人力車で巡るナイトツアーを開始した。
改装したTIC。人力車の夜間ツアーも開始
災害時に備えてスマートフォンの充電器などを設置した