2016年1月から累計の訪日外国人旅行者数が、10月30日に2千万人を突破した。国土交通省、観光庁が10月31日に速報として発表した。年間で2千万人を超えるのは初めて。今年に入ってからは為替レートが円高傾向に動いたが、継続的な訪日プロモーションの効果に加え、航空路線の拡充、クルーズ船の寄港増加などが訪日客数を押し上げた。
訪日外国人旅行者数は、政府が03年にビジット・ジャパン(訪日旅行促進)事業を開始したことなどを受け、07年に800万人を超え、リーマンショックや東日本大震災に伴う落ち込みをはさみながらも、13年に初めて1千万人を突破した。以降は急増し、15年には1973万7千人に達していた。
石井啓一国交相は「2020年4千万人の目標に向けて、(中略)『明日の日本を支える観光ビジョン』に盛り込まれた施策の展開を進めているところであり、今後とも、観光先進国の実現を目指し、政府一丸となって強力に推進していく」とのコメントを出した。
政府の訪日外国人旅行者数の従来目標は20年に2千万人だったが、15年に2千万人近くに達したことから、新しい目標を設定した。政府の「明日の日本を支える観光ビジョン」(16年3月決定)では、20年に4千万人、30年に6千万人にする目標を掲げている。
観光庁などは16年の年間値の見通しを明らかにしていないが、日本政府観光局(JNTO)が発表している1~9月の前年同期比の伸び率(24.1%)が12月まで持続すると、16年の年間値は2449万3千人に達する。