OTA問題にも言及
日本旅館協会の通常総会が11日、東京都港区のホテルインターコンチネンタル東京ベイで開かれた。北原茂樹会長はあいさつの中で、会員施設の経営に資する外国人材の活用に意欲を示したほか、OTA(オンライン・トラベル・エージェント)と宿泊施設を巡る問題への対応などを課題に挙げた。
北原会長のあいさつの主な内容は次の通り。
「昨年度の通常総会で針谷(了)会長からバトンを引き継ぎ、あっという間に1年が経過した。いろいろな問題もあり、今後も皆さんと決めていかなければならない事案がある中で、総会を迎えた。
就任後一番の問題は、外国人雇用。2年半ほど前に宿泊業4団体で宿泊業外国人労働者雇用促進協議会を立ち上げて、外国人を採用できるよう在留資格の拡大をお願いしてきたところ、改正出入国管理法が成立し、特定技能制度が創設された。特定技能1号の対象職種には宿泊業が入った。
4団体が1千万円ずつを拠出し宿泊業技能試験センターをつくった。外国人雇用の促進につなげ、人手不足が解消され、経営がうまくいくようになったという評価をいただくことが大事なので、取り組みをしっかりしたものにしていく。
このほか積み残した課題として、労働生産性の問題、ITの問題などさまざまある。
OTAのいろいろな問題も、最近では公正取引委員会がOTAに立ち入り検査に入ったりした。われわれが宿泊料を自由に決められない、最低価格保証の名の下にいろいろな拘束がされているということも実態としてある。こうした問題にも対処していかないとならない。
GAFAのような企業に対する規制を強化しようという動きが世界的な機運となる中、ITのシステムを立ち上げた人が一人勝ちするということにならないよう、共に稼いでいけるようなシステムをわれわれもつくり、法整備なども要望していかないとならない」
日本旅館協会の北原会長