“大阪の迎賓館”と呼ばれるリーガロイヤルホテルは、メインロビーを改装する。G20開催前の6月初旬の完成を予定している。
2019年6月の「G20 大阪サミット(以下G20)」を機に、大阪では今後国際的なイベントが多数控えており、年々増加している訪日外国人は、今後も増加の一途を辿ると思われます。
特にG20は各国からV.I.P.が多数来阪し、大阪全体を世界に発信する絶好の機会であると捉え、お客様をお迎えする「顔」である1階メインロビーの緞通、照明、サインなど空間全体を“伝統と革新”をテーマにリニューアルし、お客様を晴れやかにお迎えする空間を演出します。大阪政財界の“賓客のための近代的ホテルを大阪に”との声から“大阪の迎賓館”として1935年に誕生し、以来80余年の歴史と伝統を育みながら進化し続けるホテルとして世界へ発信してまいります。
当ホテルは、日本を代表する建築家、吉田五十八氏によって“日本の伝統美”を取り入れ設計され、特に1973年に竣工した新館の1階のメインロビーからラウンジへと続く空間は、当時から高い評価を得ました。
今回のリニューアルでは、現代のクリエイターたちが吉田五十八氏の思想やホテルの歴史を紐解きながら、最新の技術やデザイン思想と融合させ、当時の空間を現代に甦らせます。
1階メインロビー改装 概要
【リニューアル完成日】 2019年6月初旬(予定)
【工事開始日】 2019年3月18日(月)
【投資金額】 約2億円
【設計・デザイン】
設計:株式会社トラフ建築設計事務所
施工:株式会社竹中工務店
緞通:オリエンタルカーペット株式会社
サイン:株式会社日本デザインセンター
【改装内容】
- 緞通
1973年の新館(現タワーウイング)開業から2007年まで1階メインロビーを飾っていた大緞通「万葉の錦」を現代的にリデザイン。紅葉模様を大柄にアレンジします。新館開業当時から制作に携わったオリエンタルカーペット株式会社の伝統的な「山形緞通」による手刺しの緞通がメインロビーを彩ります。能衣装から着想を得た紅葉模様を大柄にアレンジした鮮やかな柄が、ロビーに足を踏み入れた瞬間から目を引きます。
- 天井・照明
天井は1973年当時の金目地の格子柄の意匠を再現。照明デザイナーにより当時の照明計画を現代の技術で再解釈し、コンパクトになったLEDの照明器具によって、明るく、眩しさを抑えた快適なロビー空間を実現。柱の金蒔絵に光をあて、藤原時代の織物に見られる鳥模様の金色の柄と緞通のオレンジ色を輝かせ、奥のメインラウンジへとお客様をいざないます。
- サイン
1階空間のサインを、ホテルのホスピタリティを革新するために多言語表示(4か国語)で刷新。サインデザインは、国内有数のデザインファーム、株式会社日本デザインセンターが担当します。
【参考:制作過程】
緞通の柄サイズ・色検証
柱の細かい模様とのコントラストが生まれ、それぞれが引き立てあうよう柄は1973年当時の2倍の大きさに。紅葉の上に立つと、不思議なスケール感を味わえます。色は基本的に当時の色を再現します。
緞通の色(詳細)検証
既存(1973年使用)の糸サンプルと600色のサンプルを見ながら、色の組み合わせを検討。
【参考:メインロビー変遷】
<お客様のお問い合わせ先>
リーガロイヤルホテル TEL.06-6448-1121(代表)
https://www.rihga.co.jp/osaka