大阪府は9月30日、有識者で構成する検討会議の中間報告を踏まえ、観光客の増加に伴う受け入れ環境整備と、その財源のあり方について、府民の意見募集を開始した。中間報告には、「宿泊税」を基本とした財源確保を検討するように求める提言が盛り込まれている。意見募集の結果や検討会議の最終報告(12月中を予定)を踏まえ、受け入れ環境整備や財源確保の方針をまとめる。
大阪府は今年5月、「大阪府観光客受入環境整備の推進に関する調査検討会議」(会長・福島伸一大阪観光局会長)を設置。検討会議は、急増する外国人旅行者を含めた観光客の受け入れ環境整備の方向性や事業の財源確保のあり方などを検討している。
検討会議がこのほどまとめた中間報告で、観光施策の財源確保について「他の地方自治体や諸外国の取り組みなどを参考に議論を行い、東京都ですでに導入されている『宿泊税』を基本に検討を深める必要がある」と提言。観光客の増加に対応した新たな事業展開が求められているが、府の財政状況が厳しいため、観光客に税負担を求め、財源とすることも必要としている。
「宿泊税」を基本とする理由には、「課税客体に消費能力があり、かつ、課税客体の把握が容易であるという観点が重要」と指摘し、小売業などは観光客の消費が大きいが、課税客体の観光客と、一般客との選別が困難としている。中間報告では、「宿泊税」の具体的な制度内容には踏み込んでいない。
府民対象の意見募集の締め切りは10月29日まで。