奈良県が東京でセミナー 宿泊施設の誘致に向けて山下知事が講演


知事らも出席して開かれた奈良県による宿泊施設立地セミナー

 奈良県は13日、県内に新たな宿泊施設を誘致することを目的に「奈良県宿泊施設立地セミナー2024in東京」を東京都品川区の東京マリオットホテルで開いた。奈良県への進出を検討する企業など87社・118人が出席した。

 山下真知事が「奈良県を『宿泊したい観光地』へ~奈良県での宿泊施設立地のお誘い~」と題して講演。また、亀田忠彦・橿原市長が「新たなまちづくりをはじまりの地より新たにはじめる」で、中井章太・吉野町長が「世界遺産・吉野山の現状とインバウンド誘致の取り組み」で、それぞれ講演し、宿泊施設誘致で参加者にラブコールを送った。

 山下知事は、奈良県観光戦略本部が掲げるKPI(数値目標)である2030年度までに観光消費額4200億円、1人当たり観光消費額を宿泊3万1千円・日帰り6千円、延べ宿泊者数500万人を紹介。「この目標の達成のためには、宿泊施設の増加が必要不可欠」と強調した。

 さらに同県の取り組みとして、(1)25年1月末まで募集している「奈良県宿泊施設立地促進事業補助金」で、旅館・ホテルの新設または増改築等を行う場合、最大2億円(補助率10%)を補助すること(2)26年3月末までの間に宿泊施設を新設または増設した事業者に対して事業税、不動産取得税の軽減を行こと(3)新規宿泊施設開業者、既存宿泊施設事業者に対する制度融資や利子補給を行うこと―など各種の支援制度を紹介した。

 JWマリオットホテル奈良(奈良市)を20年に、紫水ラグジュアリーコレクションホテル奈良(同市)を23年に開業した森トラストの増永義彦常務取締役も「奈良県の観光ポテンシャルと森トラストのホテル開発事例」として登壇。「奈良県は日本の文化や歴史を語る上では外せない孤高の観光地。ただ京都は、観光客入込数で奈良の3倍、ホテル客室数で4倍、観光消費額で7倍となっている。ホテルの客室数を適正に引き上げないと消費額は伸びない」と指摘した。

 その上で「奈良県は全国6位の訪日外国人訪問率にもかかわらず、消費単価が京都府や大阪府に比べて極端に低い。高単価の消費を創出するためには外資系ホテルの招致が重要なのではないか。外資系ホテルは、奈良の2軒に対して、京都府には15軒、大阪府には20軒ある」と提案した。


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