奈良県はこのほど、平成29(2017)年に県を訪れた観光客数などを調べた「観光客動態調査報告書」を発表した。それによると、観光客数は4420万人で、前年比0.3%増えた。微増だが、「5年前と比較すると873万人(24.6%)の大幅増」(観光客インバウンド・宿泊戦略室)としている。
月別にみると、2~4月は前年の「神武天皇二千六百年大祭」の反動、10月は台風など天候に恵まれず減少となったが、訪日客の増加などもあり、微増だった。
観光消費額は1630億円で、同1%の増加。一方、1人当たりの消費額は、宿泊客が同3.1%減の2万4484万円、日帰り客は同3.8%増の4731万円。宿泊客の消費額が減少しているのは、宿泊施設の多様化で、安価で泊まれる簡易宿泊施設やゲストハウスなどを利用する人が増えたことなどが影響しているとみられる。
エリア別にみると、例えば県北部(奈良市、生駒市、山添村)では、訪日客の大幅な増加や春日大社における第六十次式年造替のにぎわいの継続などで、同1.8%増の1639万人となっている。