日本学生観光連盟(林日奈子会長=桜美林大学3年)は6日、茨城県内でフィールドワーク(実地研究)を実施した。今回のテーマは「スクリーンツーリズム」。参加者は県内のロケ地を訪問し、意見交換を重ねてスクリーンツーリズムの可能性を探った。
スクリーンツーリズムは、映画やドラマに関心を持つ人が、作品情報や視聴をきっかけに、ロケ地などを訪れる旅行形態。テーマ性が強く、体験・交流型旅行のニューツーリズムの一つに挙げられる。
今回のフィールドワーク参加者は立大や横浜商大、帝京大などの学生35人。参加者はまず、江戸の街並みを再現した歴史公園「ワープステーション江戸」(つくばみらい市)を訪問した。同園は街並みを生かした時代劇の撮影が多く、NHK大河ドラマや民放ドラマ、映画のロケ地になっている。同園では見学のほか、県フィルムコミッション推進室の後藤久室長の講演会が開かれた。
その後、JAXA筑波宇宙センター(つくば市)やつくばエクスプレスつくば駅周辺のロケ地を見学。学生の一人は「ロケ地だけではなく、周辺の観光地と合わせてのPRも大切」と感想を述べた。
7日は都内に移り、県フィルムコミッション推進室からの課題「スクリーンツーリズムのあり方」について、フィールドワークを基に意見交換会を開いた。学生からは「制作者側はロケ地でのイベントを定期的に行うなど、地域に配慮すべき」「旅行事業者はロケ地巡りツアーの認知度を高めるため、プロモーションを工夫する」「クーポンでスクリーンツーリズムの周遊効果を図る」などの意見が出された。
学観連は、住民がロケにエキストラやスタッフとして参加する機会を通して地域の魅力を再確認し、「わが町意識」を持つことで地域活性化の一部としてスクリーンツーリズムが成立すると考えている。今後、これらの意見をまとめて同推進室に提出する。