宿泊施設活性化機構(東京都港区、伊藤泰斗事務局長)は6日、「第5回日本宿泊ダボス会議~感染症の世紀における宿泊未来予想図~」をオンラインで開催した。参加費無料で当初定員300人に対して、当日は550人以上が視聴した。
平将明・内閣府副大臣、武井俊輔・衆院議員、北原茂樹・日本旅館協会前会長(京都市・旅館こうろ会長)、雀部優・三井不動産ホテルマネジメント社長、加藤友康・カトープレジャーグループ社長、佐山展生・スカイマーク会長らが講演した。
北原氏は、今回のコロナ禍について「太平洋戦争後、最大の経済的打撃であり、SARS、MERS、リーマンショック、阪神淡路大震災、東日本大震災を超える経済的ダメージであることは間違いない」と指摘。
その上で北原氏は、ポスト・コロナの旅館経営に必要なこととして、(1)みなし資本となる劣後ローンの活用(2)旅館業法を順守してきた生活衛生同業組合として衛生管理がいかに大切かを消費者にしっかりと訴えていくこと(3)次世代の経営者に事業継承していくための思い切ったパラダイムシフト―の3点を挙げた。
(3)の具体策は、「地域の資産と個々の旅館の資産を合体させ新たなプラットフォームを立ち上げる」「5軒、10軒の旅館でつくる個々の旅館の個性を重視したM&A」「個々の経営者の強みを生かした役割分担によるオペレーション会社、すなわち専門家集団による効率経営」「全国各地にある中小企業基盤整備機構の活用」とした。
北原氏のほか、武井衆院議員は「今こそ観光業界の団結力と底力が求められている」と呼び掛けた。また、スカイマークの佐山会長は「定量的なデータを業界団体が率先して開示、広報し、その窮状を世間に訴え掛けるべき」と述べた。
北原茂樹氏