コンサルタントのリョケン(本社=静岡県熱海市)はこのほど、全国の旅館を対象に、2021年の営業と財務状況を調査した。同年の宿泊客数平均は前年比38.7%減少、宿泊客1人当たりの売上高平均は同13.6%増加した。「多くの施設で客数が低迷する中でも、それぞれに単価維持のために努力したことがうかがえる」(同社)
コロナ禍2年目の21年は、Go Toトラベル事業が停止したままで、多くの旅館で苦戦を強いられた。宿泊客数が平均1万8710人、前年比1万1835人減(38.7%減)と落ち込んだのに加え、日帰り人員も同3498人、5378人減(60.6%減)と、半減以下になった。
定員稼働率は平均35.1%で、同2.8ポイント低下。「30%未満」が全体の56.8%と半数以上を占め、「50%以上」が16.2%、「40%~45%」「30%~40%」がそれぞれ13.5%、「45~50%」が0%だった。
客室規模別の平均定員稼働率は、大規模旅館(100室以上)23.2%、中規模旅館(30~99室)28.3%、小規模旅館(30室未満)49.9%。前年比では大規模旅館が8.6ポイント減、中規模旅館が11.0ポイント減とそれぞれ大きく低下している。
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