コンサルタントのリョケン(本社・静岡県熱海市)はこのほど、四半期ごとに行っている旅館・ホテル短期観測アンケートの今年4月実施分を公表した。それによると、この冬(1〜3月)の客数実績は、「増加傾向」とする施設が回答の38.9%、「減少傾向」とする施設が40.7%とほぼ同率で、二極化の状況となっている。震災の影響が大きい東日本でこの傾向が顕著になっている。一方、この春(4〜6月)の客数見込みでは、増加傾向とする施設が東日本を中心に多いものの、単価は前年並みが多数を占めている。
この冬の自館の客数実績を地域別にみると、北海道・東北は増加傾向41.7%、減少傾向50.0%。関東地方は増加傾向、減少傾向ともに44.4%。東日本全体では増加傾向42.9%、減少傾向47.6%で、横ばい傾向は9.5%にとどまった。増加と減少の二極化の状況となっている。
半面、甲信越、東海、北陸を合わせた中日本は、増加傾向35.0%、減少傾向30.0%、横ばい傾向35.0%と、横ばい傾向の比率が高くなっている。
この冬の基本宿泊単価は、上昇傾向13.0%、下降傾向31.5%、横ばい傾向55.6%。地区別では、東日本エリアで上昇傾向の回答が19.0%あったのに対し、西日本エリア(近畿、中国、四国、九州)では上昇の回答はなかった。
一方、春の見込みは、自館の客数では、増加傾向が46.3%と最も多く、減少傾向が29.6%、横ばい傾向が24.1%にとどまる。昨年の震災以降、業界が全国的に打撃を受けたため、5割近くが増加傾向と回答している。
地域別では、北海道・東北で46.2%、関東で88.9%、東日本全体で63.6%が増加傾向と回答。ほかの地域では、中日本で42.1%が増加傾向と回答したが、西日本では38.5%が減少傾向と回答。増加傾向は23.1%にとどまった。
春の基本宿泊単価は、上昇傾向13.2%、下降傾向24.5%、横ばい傾向62.3%と、横ばい傾向が多くなっている。