宿泊施設関連協会(JARC、林悦男理事長)は11月22日、東京都千代田区の全国旅館会館2階の同協会事務所で、第4回JARCゼミナール「これからのトレンドとなるライフスタイルホテルの世界の潮流」を開いた=写真。講師は観光計画研究所の矢野直社長が務めた。
矢野氏はライフスタイルホテルの登場について「80年年代初頭の欧米で、幅広いサービスやコストパフォーマンスを追求する巨大ホテルより、小規模で居心地の良いホテルを求める顧客を対象にした『ブティックホテル』が登場。その中で、デザインに特徴を持つものは『デザインホテル(またはデザイナーズホテル)』と呼ばれブームは続いている。その後デザイン性だけでなく、音楽や文化、地域性などを重視した『ライフスタイルホテル』が広がりつつある」と説明。
具体的なライフスタイルホテルの例として「エースホテル・シアトル」(1999年)、「ママシェルター・パリ」(2008年)などを挙げ、写真を示しながら特徴を詳説した。
また、「ライフスタイルホテルは従来、独立系ホテルが手掛けてきたが、現在では国際ホテルチェーンがブランド化を進めている」と指摘。マリオットの「エディション」「モクシー」「W」「アロフト」、ヒルトンの「キュリオ」「キャノピー」、IHGの「キンプトン」「インディゴ」、ハイアットの「アンダース」「ハイアットセントリック」、アコーの「Mギャラリー」「ソーソフィテル」がこれに当たるとした。
その上で、「『ライフスタイル』という価値を持ち込むことで、宿泊部門に比重を高めた計画とし、グレード感を損なわずに事業性を高めたブランドとすることができている」と解説した。