観光庁は10日、アドバイザーの派遣を通じて宿泊施設の高付加価値化やサービス向上を支援する実証事業の実施先として30の事業者や団体を選定した。2020年度補正予算を活用した事業。新型コロナウイルスに伴う「新しい生活様式」などを踏まえながら経営課題の解決につなげる。
経営コンサルタント、ITの専門家など、多様なアドバイザーを活用する事業で、派遣費用などを国費で負担。公募を経て実証事業先を決めた。
採択された事業は次の通り(申請者、所在地、取り組み名称)。
人吉温泉観光協会(熊本県)=人吉観光の面的再生に向けた専門家派遣事業
和心亭豊月(神奈川県)=持続可能な企業体質構築を目指した小規模旅館イノベーション
プルント(東京都)=離島がキャンパス。オンライン事業でスタディケーション(大学生を対象とした長期滞在に特化した宿づくり)
ホテルアンビア松風閣(静岡県)=アフターコロナに向けての接遇力アップと商品力強化を図るための従業員研修
鞆スコレ・コーポレーション(広島県)=感染防止対策に取り組みながら、高付加価値化につながる魅力的な鞆の浦の観光資源を活用した新たなビジネスモデルの構築を実現する
松葉屋(大分県)=感染防止対策に取り組みながら、高付加価値化につながる改修や、大分別府の観光資源を活用した新たなビジネスモデルの構築を実現する
鮎里ホテル(熊本県)=浸水被害からの復旧を契機とした「運営合理化による顧客サービスの質の向上」を目指した施設・システム改修プロジェクト
北海道民泊観光協会(北海道)=札幌市内・住宅宿泊事業法施行後の問題点とその対応策
京阪ホテルズ&リゾーツ(京都府)=デジタルトランスフォーメーションへの取り組み
白浜荘(滋賀県)=体験型研修プログラムの活用によるワーケーションニーズ取り込みと収益構造の変革への挑戦
勝浦ホテル三日月(千葉県)=日光東照宮の分祠をフックにインパクトのあるCIの実施と、集客を高めるための商品造成とプレスイベント、パンフレットとホームページの改修
沖縄観光商事(沖縄県)=感染防止対策に取り組みながら、高付加価値化につながる改修や、沖縄恩納村の観光資源を活用した新たなビジネスモデルの構築を実現する
長栄館(岩手県)=次の10年を見据えた事業承継施設のリモデルプラン計画プランの策定
ホテル松本楼(群馬県)=ポストコロナ社会を地域資源と共に生き抜く松本楼のSDGsブランド戦略
熱海温泉ホテル旅館協同組合(静岡県)=新型コロナウイルス感染症防止策を徹底しながら、稼働率を上げる「温泉地での素泊まり・泊食分離」ビジネスモデルの構築
奄美イノベーション(鹿児島県)=「伝泊」を中心とした「地域住民」×「観光客」によるテレワークを通した宿泊スタイルの拡充
指宿ロイヤルホテル(鹿児島県)=ホテル独自の景観・周辺環境を生かし「美と健康」をテーマにした宿泊の高付加価値化、および感染症対策と生産性向上を両立させたIT等の導入
蔵王ライザウッディロッジ(山形県)=施設の強みを生かした「免疫力づくりの本場」化へのPoC(実証実験)
高千穂離れの宿神隠れ(宮崎県)=顔認証カメラ検温システムによる非接触型サービス「高千穂顔パス巡り」
サイトシーテック(北海道)=ホテル旅館の基幹システム(PMS)等を共同開発し、業務標準化、生産性向上を規模や客種の違いに左右されることなく、安価に導入を推進するためのシステム開発事前準備
竹屋旅館(静岡県)=新しい生活様式に対応した「高付加価値客室清掃モデル」の確立と清掃特化型コンサルティング事業の展開
長崎県旅館ホテル生活衛生同業組合青年部(長崎県)=よかばい長崎!新しい生活様式に適合した安心安全・高付加価値の宿づくり!
奥津温泉旅館組合(岡山県)=ウィズコロナにおける安心安全な温泉郷創り
道後温泉旅館協同組合青年部(愛媛県)=地域連携したウィズコロナの新しい道後モデルの構築
伊豆高原観光オフィス(静岡県)=アフターコロナを見据えた新しい生活様式の誘客促進事業
川湯ホテルプラザ(北海道)=宿泊施設、飲食施設、観光協会が一体で感染症対策に取り組む新たなビジネスモデルの構築と新型コロナウイルス感染症対策ガイド「新・川湯温泉スタイル」作成事業
まちづくり小浜(福井県)=宿泊施設の所有と経営を分離する「民宿再生プラットフォーム」の構築による民宿の面的再生と、集客力を高めるためのコンテンツ開発および施設改修
松島屋旅舘(福島県)=日帰り客と宿泊客の顧客データを活用したマーケティングプロモーション施策
ディスカバーリンクせとうち(広島県)=クリエイターを活用したLOG誘客多角化および遊休スペース活用によるキャンプイベント等
ナビ(埼玉県)=地域と連携したサービス提供とD2Cマーケティングによる集客モデルの構築