2012年の日本人1人当たりの宿泊を伴う観光目的の国内旅行は、旅行回数が年間1.40回(暫定値)、宿泊数が年間2.24泊(同)となった。観光庁が11日公表した13年度版「観光白書」に掲載されたデータ。旅行回数、宿泊数ともに中期的には減少傾向にあるが、東日本大震災が発生した11年に比べると、いずれも7.7%の増加。10年と比較してもプラスだった。
国内宿泊観光旅行の旅行回数、宿泊数などは、観光庁が実施している旅行・観光消費動向調査の結果。全国から抽出した2万5千人に発送したアンケートへの回答を基に推計している。
国内宿泊観光旅行は、05年には旅行回数が1.78回、宿泊数が2.92泊だった。以降は、横ばいまたは微増の年があるものの、マイナス基調で推移。12年の数値を05年と比べると旅行回数は23.3%減、宿泊数は21.3%減となる。
「観光立国推進基本法」に基づいて閣議決定した基本計画では、日本人1人当たりの国内宿泊観光旅行の宿泊数を16年までに年間2.5泊に引き上げる目標を掲げている。この目標達成には12年の2.24泊から11.6%の増加が必要となっている。
国内宿泊観光旅行の延べ旅行者数は1億7876万人と推計。11年比で5.2%増、10年比で4.3%増となり、全体としては震災前の水準を上回った。一方で、国内日帰り観光旅行の延べ旅行者数は2億430万人で、11年比3.8%増、10年比では0.6%減だった。
また、観光白書では、東北地方の震災からの復興の状況について記述。東北6県の12年の宿泊需要の動向では、「11年以降は復興関連の需要が多く含まれており、観光目的の宿泊需要は依然として厳しい状況」と指摘した。
旅館・ホテルなどを対象にした宿泊旅行統計調査によると、東北6県の12年の延べ宿泊者数(観光、業務などの目的を問わない。訪日外国人含む)は、11年に比べて3.9%減、10年に比べて2.1%減だった。
観光目的の宿泊需要に関しては「観光客中心の宿泊施設の延べ宿泊者数は、毎月おおむね10年比約20%減で推移しており、全国に比べて回復が遅れている」としたほか、地域ごとに回復状況にばらつきがあると指摘した。