富山県は10日から12日まで、中国・上海からインセンティブ(報償)旅行のキーパーソンを招へいした。富山ならではの自然をベストシーズンに堪能してもらおうと日本政府観光局との連携で実現したもの。県コンベンション誘致班では「他地域とも連携して今後の誘致につなげたい」と意欲を見せる。
招へいしたのは上海の旅行会社や、大学、企業など旅行先の決定権をもつ5人。今回一行は富山県、長野県、愛知県を6泊7日で視察。富山県には2泊3日の日程で滞在。富山県での1日目は世界遺産になっている五箇山の合掌造り集落を訪れ、こきりこ節を鑑賞。2日目は黒部渓谷をトロッコ列車に乗って視察、3日目は中国のほかアジア人観光客に人気の高い黒部立山アルペンルートを見学した。
参加者からは「上海の都会では味わえない静けさや緑の美しさがある」「日本海で取れた刺身がおいしかった」といった声が挙がったという。
富山県では昨年4月、他県でもめずらしいコンベンション単独のセクション「コンベンション誘致班」を観光課に設置。国内のコンベンション誘致を行う一方、海外からのインセンティブ旅行誘致にも力を入れており、昨年12月にも上海からキーパーソンを招へいしている。
海外からのインセンティブ旅行は、ゆったりとした旅程のため飲食、土産品など滞在中の経済効果が見込めるという。特に中国は市場の拡大が期待できるとして、県では今後も旅行会社などと連携し、継続して誘致を進めていく方針。