小田急電鉄は7日、2050年に小田急グループのCO2排出量実質ゼロの達成に向けて「小田急グループ カーボンニュートラル2050」を策定したことを発表した。最初の取り組みとして「ゼロカーボン ロマンスカー」を運行する。小田急グループの環境優位性のさらなる向上を図るとともに、サステナブルな社会の実現に向け環境課題解決に挑戦する。
小田急グループ カーボンニュートラル2050は、(1)環境ビジョン(2)環境長期目標(3)環境戦略―の三つの柱で構成し、事業活動を通じたCO2排出量の削減や資源循環、自然資源の保全、活用などの環境課題に取り組む行動指針を示している。
環境長期目標では、2050年に小田急グループのCO2排出量実質ゼロを目指し、中間目標として30年に46%(13年比)の削減を設定している。使用エネルギー量が多い鉄道事業では、通勤車両の更新などの省エネ施策を進めるとともに、エネルギーの調達段階において再生可能エネルギーの比率を高めるほか、太陽光などで創発した電力の活用も行う。資源循環によるサステナブルな社会の実現を目指した施策の提供と、沿線に存在する自然環境を地域の貴重な資源として守り続ける保全活動にも力を入れていく。
同指針の実現に向けた最初の取り組みとして、今年10月から来年2月まで、「ロマンスカー・VSE」(50000形)をゼロカーボン ロマンスカーとして運行するとともに、気候関連財務情報開示タスクフォースによる提言へ賛同を表明し、提言に基づく情報開示を進めていく。
同社は今年4月、経営ビジョン「UPDATE小田急~地域価値創造型企業にむけて~」を策定。経営判断の一軸に環境を据えている。