広島・尾道エリアの旅客船事業者でつくる尾道地区旅客船協会はこのほど、瀬戸内の島々でサイクリングを楽しんでもらおうと、自転車を船に持ち込む旅行者の乗船料金を割り引く「しまなみサイクルーズパス」の発行を始めた。海事都市尾道推進協議会(事務局=尾道市、国土交通省中国運輸局)が支援する社会実験で、クルーズとサイクリングを組み合わせた観光の促進策を検証する。期間は来年2月28日まで。
瀬戸内海に臨む尾道エリアには、自転車を乗せられる船が多く運航されている。サイクリングによる観光の需要を拡大するとともに、地域の人口減少やマイカーへのシフトなどで減少している旅客船の利用者数を増加させたい考え。パスの取得者にはアンケート調査に協力してもらい、成果や課題を検証する。
パスの発行は11日から。尾道市内の尾道駅観光案内所、尾道港、尾道市民センターむかいしま(向島)、土生港(因島)、瀬戸田町観光案内所(生口島)、三原市内の三原港、須波港の7カ所で発行。自転車を持ち込むことが条件でレンタルサイクルも対象になる。
対象は11航路14区間。割引率は区間によって1〜5割の間で設定されている。割引後の料金は、尾道(駅前)〜向島(富浜)が100円、尾道〜因島(金山)が700円、三原〜因島(重井西)が440円、三原〜佐木島(鷺)が380円、生口島(洲江)〜岩城島(小漕)が230円などとなる。