屋久島町、縄文杉以外の観光魅力をアピール


旅行商品の説明会

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 鹿児島県屋久島町の観光を旅行会社などにPRする「屋久島・口永良部島・新旅行商品説明会」が4日、東京都内で開かれた。屋久島の世界自然遺産への登録を契機に入込客数は大幅に増加したが、近年は減少に転じ、さらに昨年5月の口永良部島・新岳の噴火の風評被害が加わった。入込客の減少について同町の観光関係者は風評被害だけでなく、恵まれた自然資源に頼り過ぎたことが要因の一つとの認識に立ち、新たな魅力と新たな観光プログラムをアピールした。

 説明会は、町商工観光課が事務局を務める観光推進事業実行委員会の主催。

 荒木耕治町長は「噴火の風評被害に伴う影響は、下半期には徐々に落ち着いてきたが、観光客の減少は、大自然だけに頼ってきたことにも問題があったと反省している。町内の1次産業をはじめすべての産業が連携し、屋久島観光の活性化、口永良部の復興につなげる」とあいさつした。

 中核的な観光資源、観光プログラムである縄文杉や白谷雲水峡のトレッキングは引き続き人気が高い。ただ、旅行者や消費者の間には「1度行ったから十分」「もう歳だから体力が無くて行けない」などの声があるという。このため新しい魅力を提案し、リピーターの獲得、新規需要の開拓を目指す。

 屋久島の新しい魅力を屋久島観光協会の松本毅会長が紹介。立ち寄る旅行者が少ない「ヤクスギランド」奥部に広がる美しい森を公認ガイドと巡るライトトレッキング、川や海を活用するリバー・シーカヤック、集落を語り部と歩く「里めぐり」ツアー、食事も可能な安房川の観光船(流れ船)などをPRした。

 口永良部島は、昨年12月25日に島内の一部地域を除き避難指示が解除。対象地域の噴火警戒レベル5は継続されているが、入島制限は解除され、フェリーの定期便も12月29日に通常運行へ戻った。復興を支援する観光プログラムとして、屋久島発の船から活火山の特色ある景観を眺める海岸遊覧などを提案した。

 屋久島町の入込客数は2007年度には40万人を超え、過去最高を記録。しかし、近年は減少傾向に転じ、14年度には30万人を割り込んだ。屋久島町はこのほど、16年度から10年間を計画期間とする観光基本計画を策定。「エコツーリズムによる世界自然遺産『屋久島』の価値創造と観光立町」を基本理念に20年度に入込客数を35万人にする目標を設定した。

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