サントリーホールディングスは5日、山梨県と環境調和型の持続可能な社会の実現に向けた基本合意書を締結した。当日、都内に山梨県知事の長崎幸太郎氏を招き締結式を開催。同社からは、常務執行役員サステナビリティ経営推進本部長の小野真紀子氏が登壇した。
合意内容は、カーボンニュートラルの実現に向けて、「やまなしモデルP2G(パワー・ツー・ガス)システム」を、県の北杜市にある2工場、「サントリー天然水南アルプス白州工場」と「サントリー白州蒸溜所」に導入するもの。併せて、周辺地域などで水素を活用する社会実証などにも連携して取り組む。
やまなしモデルP2Gシステムは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業として山梨県、東レ、東京電力ホールディングス、東光高岳が共同で開発を行ってきた固体高分子(PEM)形の水の電気分解から水素を製造する技術。
今回、日本政府が立ち上げた「グリーンイノベーション基金事業」でのNEDOの採択を受け、国内最大となる16メガワット規模のP2Gシステムを2025年、工場に導入することを目指す。このシステムは、太陽光などの再生可能エネルギー電力を活用するため、水素の製造工程でCO2を排出しない「グリーン水素」を作ることが可能という。
工場で使用する熱エネルギーの燃料をグリーン水素へ転換するだけでなく、周辺地域などでのグリーン水素活用についても県とともに検討し、取り組んでいく予定。
基本合意書を締結した長崎知事(左)と小野常務