「宿泊施設における生産性向上推進事業」に取り組んでいる岐阜県は14日、事業の一つである「プロフェッショナルマネージャー養成プログラム成果発表会」を高山市で開催した。旅館・ホテル関係者や県庁職員、観光協会の担当者ら約60人が参加した。
同プログラムは旅館・ホテルの中間管理職らを対象に、現場における課題解決に向けた知識を伝え、自社で取り組んでもらう実践的な研修。
成果発表会には研修者20人全員が登壇、研修で学んだノウハウを発表した。最も価値あるチャレンジを試み、成果につなげた発表者には「MCP賞(Most Challenged Player)審査員選抜・受講者選抜」が贈られた。
審査員選抜のMCP賞を受賞したのは、本陣平野屋花兆庵のゲストアテンダント、田口佑希さん。田口さんは「お客さまの喜びが自分たちの喜びとして実感できるような環境、楽しく仕事ができる職場づくり」を目標に掲げ、新入社員の仲居を徹底的に指導・サポートすることで、目標達成を目指した。
ラインによる交換日記で反省会を毎日行い、改善活動を行った結果、仲居が客やスタッフからも感謝されることが増え、仕事が楽しくなり、それが職場を明るくすることにつながった。
受講者選抜のMCP賞は、スパホテルアルピナ飛騨高山の渡邉貴博支配人。「中国人女性スタッフの業務内容を低減させて残業をなくしプライベートを充実、いつも笑顔でいてもらう」ことを目標に取り組んだ。
日本語のメール文を必ず自らが添削することで日本語のスキルを向上させ、業務フローを大幅に改善させた。結果、中国人女性スタッフの仕事のスキルが向上し、業務時間も大幅に減らすのを実現した。
県観光企画課の中野嘉章政策企画係長は「旅館・ホテルの生産性を向上させ、働きやすい職場、働き甲斐のある職場を作ることによって人が集まりやすく、定着率の高い宿にするのが本プログラムの目的。研修者が学んだことを現場で実践し、さまざまな新しい取り組みが現場で実行されているのを見て、手ごたえを感じている」と述べた。
プログラムは県が企画・主催し、リクルートライフスタイル社が運営を受託、宿屋大学が支援して実現された。次年度以降も実施する予定だ。
MCP賞を受賞した田口さん