島根県古代文化センターは6日、「出雲国風土記」の写本画像をウェブ公開したと発表した。
・今回公開した3点は、いずれも江戸時代に書き写された写本です。特に「古代文化センター本」は17世紀半ば頃のもので、現存する中では比較的古い『出雲国風土記』写本の一つです。
・それぞれ筆で丁寧に書き写され、また多数の付せんや朱墨などが確認でき、当時深く研究されていたことが分かります。鮮明なカラー画像を自由に拡大し、ゆっくりじっくり『出雲国風土記』の世界を堪能ください!
・また江戸時代につくられた『出雲国風土記』の最初の解説書『出雲風土記鈔(いずもふどきしょう)』の全ページ撮影画像を収めた影印本を刊行しました。お近くの書店での取り寄せ、またはインターネット通販でお買い求めいただけます(定価1,500円+税)。
①『出雲国風土記』古代文化センター本
江戸時代前期(17世紀半ば頃)に書写されたもので(書写者不明)、他の写本との異同を記した約300点もの付箋が貼付されています。現存する中では、比較的古い『出雲国風土記』写本の一つです。全画像はこちら(http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100336050/viewer/1)
②『出雲国風土記』勧修寺家(かじゅうじけ)本
江戸時代中期(18世紀)頃の書写によるもので(書写者不明)、「勧修寺」の蔵書印があります(勧修寺家は藤原北家の流れをくむ公家)。『豊後国風土記』と合冊された写本です。全画像はこちら(https://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100336049/viewer/1)
③『出雲国風土記』菅野(すがの)本
国文学者の菅野雅雄氏の旧蔵本で、平成31年(2019)1月に所蔵者から寄贈を受けました。江戸時代に書写されたもので(書写者不明)、朱墨による多数の書き込みや修正があります。全画像はこちら(http://kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/100336051/viewer/1)
【『島根県立古代出雲歴史博物館所蔵 影印 出雲風土記鈔』】
『出雲風土記鈔』は、1683年、松江藩の役人であった岸崎時照が著した『出雲国風土記』の最初の解説書です。古代出雲歴史博物館には現存最古の写本が所蔵されており、全ページ撮影して書籍として刊行しました。お近くの書店での取り寄せ、またはインターネット通販でお買い求めいただけます(定価1,500円+税)。詳しくはハーベスト出版のHP(https://www.tprint.co.jp/harvest/092.html)をご覧ください。