航空便や鉄道などの交通機関、交通網の年末年始の利用実績がまとまった。航空は、JALグループが提供路線、座席数を減らしたのに反比例する形で、ANAをはじめとする他社が提供路線、座席数を拡大。運航路線が大幅に増えたスカイマークを筆頭に、JALを除く全社で前年の利用者数を大きく上回った。陸上交通は、1月1〜3日の東北、山陰地方での大雪などがあったものの、軒並み前年比増。JR各社はいずれも前年実績を超えたほか、高速バスも伸ばした。高速道路は雪の影響などもあったが、利用台数、渋滞回数とも前年を上回った。
■航空
航空各社の12月28日〜1月5日の利用実績をみると、JALグループの国内線総旅客数は前年比18.4%減の121万9364人、利用率は63.3%だった。提供座席数が同21.2%減少したのもあって各方面とも利用者数は前年の7、8割にとどまった。利用のピークは下りが12月29日、上りが1月4日だった。
ANAグループは、総旅客数が同4.5%増の158万7945人。同4.2%増やした提供座席数を上回る伸びとなった。利用率は61.7%。方面別では、離島を含む7方面すべてで前年実績を超えた。提供座席数を前年よりも1、2%程度減らした東北・北陸、沖縄方面でも6%ほど利用者数を伸ばした。利用のピークは下りが12月30日、上りが1月4日だった。
スカイマークは総搭乗者数が同66.2%増の21万1943人。昨年同期には未運航だった羽田〜鹿児島線など9路線での運航を行ったことや従来路線の好調などで大きく伸ばした。搭乗率は83.2%。羽田〜札幌、福岡、神戸、鹿児島、那覇、神戸〜那覇、福岡〜那覇の各路線で搭乗率が9割を超えた。方面別の搭乗者数では、提供座席数を増やした路線を中心に2ケタの増加。このうち神戸〜那覇線は同49.7%増だった。
北海道国際航空(エア・ドゥ)は総旅客数が同13.7%増の7万5432人、搭乗率が86.0%だった。スカイネットアジア航空は利用者数が同21.1%増の5万3471人、搭乗率は76.0%。スターフライヤーは総旅客数が同5.5%増の8万5259人、利用率が78.0%だった。
■JR各社
JR各社の12月28日〜1月5日の新幹線の利用状況をみると、JR東日本が同5%増(人数非公表)、新幹線と在来線特急、急行を合わせた利用人数が同3%増の367万6千人だった。JR東海が同7%増の292万4千人、JR西日本が同8%増の145万7千人、JR九州が同23.7%増の10万4千人。
在来線主要線区の特急、急行の利用はJR北海道が同2%増の33万4千人、JR東日本が同1%減(人数非公表)、JR東海(特急のみ)は同3%増の17万8千人、JR西日本は同4%増の82万2千人、JR九州(特急のみ)は同19.9%増の56万7千人。
JR四国(瀬戸大橋線)は、同4%増の23万9千人だった。
■高速バス
楽天トラベルの年末年始(12月28日〜1月3日)の高速バス(高速路線バス、高速ツアーバス)予約の送客実績は、前年同期比31.7%増(人数非公表)だった。利用単価は同2.4%増加した。高速ツアーバスを運行するウィラートラベルの12月22日〜1月4日の取り扱い人数は、前年比27%増の10万8千人。利用のピークは12月29日だった。
■高速道路
NEXCO3社(東日本、中日本、西日本)と本州四国連絡高速道路(本四高速)の12月23日〜1月4日の主要区間の1日平均交通量は、前年同期比2%増の4万2400台だった。渋滞回数は10キロメートル以上の渋滞が同11%増の235回、30キロメートル以上の渋滞は同29%増の22回。このうち雪による通行止めによるものは、10キロ以上の渋滞が5回、30キロ以上の渋滞が2回だった。
高速道路無料化社会実験の対象区間の12月23日〜1月4日の1日平均の交通量は、前年比72%増の1万7200台。期間中の渋滞の発生回数は同247%増の59回で、発生のピークは、17区間で渋滞が起こった1月2日だった。
帰省土産を探す人でにぎわうJR東京駅