高知市内の山村、土佐山地区(旧土佐山村)で、市役所の分室庁舎が予約制・乗合タクシーの運行拠点として重要な役割を担っている。市が庁舎の一角をタクシー会社に貸し出し、基本運賃300円のタクシーを毎日、住民の自宅から学校、診療所、スーパーマーケットなどの間で走らせている。公民が連携して暮らしの足を支えている。
自治体施設の空きスペースがタクシーの営業所として活用される例は、全国的に珍しい。昨年3月、国土交通省の「ラストワンマイル・モビリティ検討会」で紹介され、関係者間で注目された。
地元の第二さくら交通(山本倫世社長)は2018年10月、3階建ての土佐山庁舎の1階部分と駐車場に新営業所を開設した。配置車両台数は4台(ジャンボ型1台、セダン3台)。それまで土佐山地区での運行は、市中の営業所から往復1時間かけて対応していたが、時間と手間が大幅に省けた。乗合タクシーの愛称は「かわせみ号」。19年4月には小中学校のスクールバス、診療所バスと一元化され、利便性が高まり、事業費の削減につながった。
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