中小企業基盤整備機構近畿支部は3日、大阪市の経営支援プラザUMEDAで「観光ビジネスセミナー」を開いた。観光関連事業に関心のある企業や、体験型や着地型旅行に取り組む自治体担当者らが参加した。後援は観光経済新聞社。
第1部では「体験型観光」について、体験教育企画代表の藤澤安良氏が基調講演した。
藤澤氏は「体験型観光を通じて人と人との交流が図れ、高い教育効果がある」と強調する一方、現在の体験型観光ブームについて、本物体験であることの前提が守られていないことや、体験させることにのみ目的が集中し、本来の目的である交流に結び付いていない体験プログラムもあることなどを指摘した。
第2部は「地域資源活用プログラム」「農商工等連携事業」の認定事例が9件発表された。コーディネーターは同近畿支部の刀根浩志マネジャー。滋賀県のおごと温泉旅館協同組合は、雄琴温泉の効能と琵琶湖湖畔の自然、ノルディックウォーキングを組み合わせたヘルスツーリズムを説明。また、淡路島のアテーナホテルズは、阪神淡路大震災以降行ってきたスポーツキャンプの誘致の経験を生かして、スポーツホテルとしての取り組みなどを紹介した。
第3部は、広域観光連携事例に関する合同ディスカッションとして、丸益西村屋、ワックジャパン、旅館畑中がプレゼンテーションを実施。丸益西村屋は、京友禅染浴衣生地作り体験を、ワックジャパンはアテンドサービスを付加した京町屋のホームビジットプログラムを、旅館畑中は京舞と京料理を楽しめる「京料理と舞妓の夕べ」などの体験プログラムを披露。
また、インバウンドへの取り組みや連携について意見が交わされ、セミナーの最後には刀根浩志マネジャーが「各地の地域おこしだけでなく、地域のリーダーとなる人起こしが必要となっている」とまとめた。
セミナーで藤澤安良氏が体験型観光の必要性を説いた