御所野縄文博物館は、「御所野縄文キャンプスクール」を9月に開講する。
縄文を学び、体験し、味わい、夜は御所野ムラの風景を目の前にテントを張り宿泊できるプレミアム体験です。
その他、閉館後の博物館や御所野遺跡を回る「ナイトミュージアムツアー」など、様々なプログラムを予定しています。
縄文時代の人々は、生活が平等で大きな争いがなく、常に自然の恵みとともに生活していました。
約1万年以上続いたとされる縄文時代、一つの時代がこれほど長く持続した例は世界でも類がないとされています。
縄文人の目線になり、当時の暮らしに思いを馳せながら体感できる、一泊二日の旅にぜひご参加下さい。
- 御所野遺跡について
縄文時代中期後半 (5,000〜4,200年前)の大規模なムラの跡で、76,000m²の台地のほぼ全面に竪穴住居跡が800棟以上見つかっています。
1993年、縄文時代の社会構造を知る上で貴重な遺跡として国指定史跡に指定されました。
2002年、遺跡を保存し御所野ムラ(注1)を復元し、御所野縄文博物館を併設した「御所野縄文公園」がオープンしました。
以降、縄文文化の価値や魅力を伝える活動に注力し、定期的に学んだり、楽しんだりするイベントなどを開催しています。
また、2021年5月、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関、国際記念物遺跡会議(イコモス)より、御所野遺跡を含む「北海道・北東北の縄文遺跡群」は世界文化遺産への登録勧告を受けています。
(注1)ムラについて
狩りをし移動しながら生活していた旧石器時代から、縄文時代に入ると、同じ土地で長く生活できるよう家を作り、土器や道具 が作られ、人々は集まって生活をするようになります。その場所(集落)を「ムラ」といい、定住が「ムラ」の始まりです。いわゆる、村のことですが、現代の「村」と区別するためにカタカナで「ムラ」と表記しています。
- 「御所野縄文キャンプスクール」 開催概要
日程:9月18日(土)13:00 〜 9月19日(日)16:00
定員:20名
価格:¥50,000(予価)
プログラム内容:縄文の暮らし体験、縄文遺跡発掘体験、縄文食体験、ナイトミュージアム、他
イベントの詳細とお申し込み方法:7月20日にウェブサイトにて公開します。https://goshono-iseki.com
- 「御所野縄文キャンプスクール」コンテンツ
1 【縄文暮らし体験】とことん本物にこだわった縄文ムラで、縄文人の暮らしを追体験
御所野遺跡は、縄文時代の大規模なムラ。竪穴住居の位置や大きさ、方角等、発掘調査の記録を基に、本物の配石遺構(ストーンサークル)を中心に、御所野縄文ムラを忠実に再現しています。復元した縄文ムラに隣接した博物館等の建物は視界に入らないよう建てられ、本物の縄文自時代の景観にこだわっています。復元竪穴住居で、縄文人の暮らし体験と、御所野ムラの風景を目の前にテントを張り宿泊できるプレミアム体験です。
2 【発掘体験】 縄文時代のタイムカプセルを、自分の手で掘り起こす
御所野縄文公園の下には縄文時代の大規模なムラである御所野遺跡が眠り、その周辺には、馬場平遺跡や田中遺跡など、同じ縄文時代の遺跡が周辺に広がっています。「御所野縄文キャンプスクール」では、本物の縄文遺跡で発掘調査や、博物館で土器の復元など整理作業を行います。自分の手で遺跡を発掘調査、整理を行い、縄文時代と向き合う。時を超え、縄文の息吹を感じ、思い出に残るワクワク体験です。
3 【縄文食体験】 自然の恵みと知恵がこの1杯に。五感で縄文時代を味わおう!
縄文食といえば、原始的なもの?いえ、そうではありません。縄文人は、協力し合いながらサケなどの川の恵み、シカ、イノシシなどの山の恵みを狩猟し、クリやトチノミなどの堅果類、山菜などの山の恵みを採集して、旬の食材を上手に料理しました。発掘により、海のクジラやハンバーグ、ニワトコで果実酒を作った痕跡が見つかっています。縄文の食を味わい、縄文に思いを馳せましょう。
新型コロナウィルス対策について
「御所野縄文キャンプスクール」は、検温、消毒、換気、ソーシャルディスタンスなどを徹底し、新型コロナウィルス感染防止への取り組みを行なった上で開催いたしますが、開催時の状況により、中止もしくは延期の可能性がございますことご了承ください。感染症対策については、ツアー募集時に改めて詳細を記載いたしますのでご確認くださいますようお願い申し上げます。
参考情報
- 「北海道・北東北の縄文遺跡群」とは
「北海道・北東北の縄文遺跡群」は、北海道、青森県、秋田県、岩手県の4道県に点在する17遺跡で構成されています。また、関連する遺跡(関連資産)が北海道と青森県に1遺跡ずつあります。それぞれ、縄文時代草創期から晩期の各時期の代表的な遺跡で構成されているほか、人々の生活の実態を示す、海岸や内陸の河川沿いに営まれた集落や墓地、祭祀・儀礼の場である環状列石など、縄文時代を総合的にとらえることができる資産構成となっています。縄文文化は狩猟・採集・漁労によって定住を達成した、世界史上まれにみる文化であり、「北海道・北東北の縄文遺跡群」は、 農耕以前の北東アジアの人類の生き方を明らかにする貴重な遺産でもあります。
【北海道】垣ノ島遺跡、北黄金貝塚、入江・高砂貝塚、大船遺跡、キウス周堤墓群
【青森県】大平山元遺跡、亀ヶ岡石器時代遺跡、田小屋野貝塚、三内丸山遺跡、小牧野遺跡、二ツ森貝塚、大森勝山遺跡、是川石器時代遺跡
【岩手県】御所野遺跡
【秋田県】大湯環状列石、伊勢堂岱遺跡関連資産
(関連遺産:青森県 長七谷地貝塚、北海道 鷲ノ木遺跡)
- 御所野縄文公園 施設案内 https://goshono-iseki.com
御所野遺跡
御所野遺跡の発掘調査成果を基に、縄文時代の風景を蘇らせた史跡公園です。東西に細長い台地に丘陵地に、竪穴住居跡や盛土遺構、配石遺構などが分布しており、800年間という長期にわたって人々が定住した集落跡です。集落の近くには馬淵川が流れ、御所野ムラの人々は、その支流や周辺の豊かな森で狩猟や採集、漁労を中心とした生活を営んでいたと考えられています。東側の丘陵地には、四季折々の豊かな自然を感じることのできる「縄文の森」が広がっています。
御所野縄文博物館
御所野縄文公園内にある博物館。館内は3つの展示室があり、約4,000年前の焼失住居跡の出土状況の展示や、遺跡から出土した土器などを展示している他、御所野遺跡を舞台とした縄文のくらしや、遺跡の四季の移り変わりを、150インチの巨大スクリーンとプロジェクションマッピングで紹介しています。その他、館内には郷土資料コーナー、ミュージアムショップ、土器作りやアクセサリー作りなどが体験できる体験工房が併設されています。
きききのつりはし
5,000年前の縄文時代の景観に向かうためのタイムトンネル。谷を挟んで立地する、遺跡公園・博物館 と駐車場を結ぶ木製歩道橋です。木材としての「木」をイメージし、その他に奇抜の「奇」、渡る喜びとしての「喜」など、つりはしを渡る見学者の方が自由にそれぞれの「き」をイメージできるように名付けられました。
- 御所野遺跡 出土品
御所野遺跡からは、貴重な土器も出土しています。
大木式土器(だいぎしきどき)
東北地方を中心に分布する縄文時代中期の土器で、丸みを帯びた形と渦巻きの文様が特徴。東北地方南部を中心とした地域は「大木式土器」の文化圏、東北北部から北海道南にかけては「円筒上 層式土器」の文化圏ですが、御所野遺跡からは両方の土器が出土しており、二つの文化の接点であったと考えられています。土器の出現により、煮るなどの調理や、貯蔵も可能となり、縄文時代の人々の食生活に大きな安定をもたらしました。
人体文土器(じんたいもんどき)
御所野遺跡のシンボル。通称「羽根付き縄文人」と呼ばれており、 頭に羽根飾りをつけたような縄文人が描かれている土器片です。 人の体や顔が描かれている縄文土器や土偶は、縄文人の「祈り」の象徴として、儀式などの際に、特別な役わりを果たしていたと考えられています。
- 縄文体験プログラム
御所野縄文公園周辺の自然素材や、一戸町の伝統技術を生かした、季節ごとに行う限定の体験プログラムを実施しています。その他、手づくりプログラムでは、縄文人が利用していた同じ地層から採集した粘土を使った土器づくり等も体験できます。
※各プログラムの詳細、予約開始日についてはHPより確認ください。なお、状況により対応を変更する場合がございます。 電話での事前予約が必要です。お申し込み:御所野縄文博物館(電話:0195-32-2652)
シナノキまるごと体験
シナノキの樹皮を剥ぎ繊維を取り出し、取り出した 繊維を編み、コースターをつくる、全3回の体験です。
縄文の星空体験
昼から夜へと移り変わってゆく縄文公園で、 縄文人も見た秋の夜空を観察します。
冬の縄文公園を歩いてみよう
雪が積もった縄文公園の中を、クロスカントリースキーやスノーシューズを履いて散策します。
- 御所野縄文WEEK
多くの方々に御所野遺跡をより身近に楽しんでいただくため、2017年より毎年イベントを開催しています。