第三セクター鉄道等協議会は10日、全国40社の第三セクター鉄道会社との共同企画として「御朱印帳」ならぬ「鉄印帳」の販売を開始する。鉄印帳の販売に際し、日本旅行と読売旅行が事業応援として「鉄印帳の旅」と題したツアー商品を販売。新しい「鉄旅」を提案し、鉄道の利用者増、地域経済、観光業の活性化につなげる。
「鉄印」は、寺社巡りで人気がある御朱印の鉄道版。第三セクター鉄道会社ごとに鉄印を用意する。鉄印帳は2200円(税込み)で、各鉄道会社の指定窓口で販売する。鉄印をもらうには、乗車券の提示と記帳料(300円から)が必要。鉄印帳を制作する旅行読売出版社の伊藤健一メディアプロモーション部長は「最初に5千冊の鉄印帳を用意している。鉄印を全て集めた人にはシリアルナンバー入りの『鉄印帳マイスターカード』(有料)を発行する。ぜひ楽しみながら全国を巡ってほしい」と話す。鉄印帳マイスターカード保持者には、沿線店舗での割引やイベントへの優先参加など特典を加える予定。
6月23日には記者発表会を開催。第三セクター鉄道等協議会副会長で三陸鉄道の中村一郎社長、日本旅行の堀坂明弘社長、読売旅行と旅行読売出版社の坂元隆社長が出席した。中村社長は「40社が足並みをそろえて事業を行う。鉄印を通じて鉄道の楽しさを味わうとともに、山、海の幸を堪能し、温かい人情にも触れてほしい」とあいさつした。堀坂社長は「鉄道旅行を大事にしてきた。鉄印は一種のプラットフォームになる。政府が今後実施を予定している『Go Toキャンペーン』の起爆剤にもなる」と意気込んだ。坂本社長は「日本旅行とは商品で連携している。鉄印帳プロジェクトをきっかけに鉄分を増やし、ツアーをシリーズ化していく」と述べた。鉄印帳の実施期限は決められておらず、中村社長は「長い時間対応したい」と話した。
読売旅行は、第1回鉄印帳の旅「東北編」を7月10日に発売。日本旅行は、国内旅行ブランド「赤い風船」で「鉄印帳付き宿泊プラン」として7月下旬から販売する予定。
左から坂元社長、中村社長、堀坂社長