日本音楽著作権協会(JASRAC)は19日、2020年度の事業報告と21年のJASRAC賞を発表した。「徴収額」は19年度実績との比較で減少したものの、「分配額」は増額となった。
徴収額は、19年度実績額と比べて50億4千万円の減少となった。巣ごもり需要を背景に、音楽のサブスクリプションサービスや動画配信、ゲームが好調を維持した「インタラクティブ配信部門」は大幅な増収となったが、新型コロナウイルス感染症の影響により、イベントの延期・中止や社交飲食店の休業・廃業が相次いだ「演奏等部門」をはじめとするほぼすべての部門で前年実績額を下回った。
一方の分配額は、19年度実績額と比べて35億7千万円の増額となった。新型コロナウイルスの影響が本格化する前の19年下半期に徴収した使用料が分配対象に含まれたことと、インタラクティブ配信が好調を維持したことなどが寄与し、過去最高の分配額となった。
併せて発表された2021年JASRAC賞の金賞はLiSAさんの作詞、草野華余子さん作曲のアニメ楽曲「紅蓮華」が選出された。
JASRAC賞は、音楽配信、カラオケ、CMでの利用など、前年度にJASRACから著作物使用料の分配額が多かった作品の作詞者、作曲者、音楽出版社の功績と栄誉を称え表彰するもので、今回が39回目。
また、銀賞は「Pretender」、銅賞は「Lemon」、国際賞は「NARUTO―ナルト―疾風伝BGM」、外国作品賞は「DAYDREAM BELIEVER」が、それぞれ受賞した。