手荷物輸送など旅行事業強化 大栄運送社長 山本龍二さん


山本社長

 ◎…近畿日本ツーリスト個人旅行専務やユナイテッドツアーズ社長を経て、昨年、夫人が代表を務める大栄運送の共同代表に就いた。50年にわたり千葉・船橋を拠点に貨物運送事業を展開している同社だが、山本氏の着任と共に旅行部門の事業を本格化。旅行者の手荷物輸送と富裕層向けのオーダーメイド旅行の手配を手掛ける。

 ◎…同社が初めて手荷物輸送を行ったのは、19年開催のラグビーワールドカップ日本大会の時。手荷物輸送は、大手運送会社等による寡占状態だが、旅行会社での経験を生かして取り扱いを拡大。現在は、大手引越会社や各地の運送会社など約50社と業務提携を結び、全国各地の修学旅行の手荷物などを取り扱う。「旅行会社、特に教育旅行分野は、人による手触り感を求めている。旅行会社のニーズをくみ取り、『思い』のこもった大切な荷物を扱うのだという『おもてなしの心』でサービスを行っていることが受注につながっている」。生徒との交流や観光地への移動などを伴う事業はドライバーにも好評で、定着率アップにもつながっている。

 ◎…コロナ禍真っただ中の昨年7月、京成船橋駅近くに、完全予約制のラグジュアリートラベルサロンを開いた。富裕層向け手配旅行の先に見据えるのは、外国人富裕層の個人旅行と、その時に欠かせない手荷物輸送だ。「新幹線であれリニアであれ、日本は大きな荷物を置く場所がないため、必ず陸送による手荷物の当日輸送便が必要になる」。インバウンド復活に向け、趣味のギターは封印。今は宿泊施設等とのネットワークづくりなど、営業活動に余念がない。

 ◎…サラリーマン社長時代と比べ、資金繰りなどの苦労も多い。だが、「自分の経験を生かして大手と戦うのは楽しい」と、手荷物輸送のブルーオーシャンを前に、意気軒高だ。「中小企業に転じたことで旅館・ホテルなどの皆さんとの距離が近くなり、協力していただくことも多い。人のご縁のありがたさを感じる毎日だ」。京都府出身、65歳。

【小林茉莉】


山本社長

 
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