政府が13日に決定した新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策には、2019年度予算の予備費103億円を含む総額153億円が充てられる。水際対策、国内感染対策、中小企業対策などを強化する。
水際対策では、中国湖北省に滞在歴がある外国人などへの措置と同様に、2週間以内に浙江省に滞在歴がある外国人、浙江省発行の中国旅券を所持する外国人についても13日から原則として上陸を拒否。また、新型コロナウイルス感染症の発生の恐れがある旅客船の外国人も原則として上陸拒否の対象とする。空港、港湾での検疫体制も強化する。
国内感染対策では、感染症指定医療機関の治療体制の強化、検査キット・抗ウイルス薬・ワクチンなどの研究開発の促進、マスクや医薬品などの供給体制の確保などを進める。
経済的な対策では、旅館業などの中小企業向けに日本政策金融公庫などによる緊急貸付・保証枠として5千億円を確保するほか、雇用調整助成金の支給要件を緩和し、企業に活用を呼び掛けていく。
緊急対応策の主な内容は次の通り。
【国内感染対策の強化65億円】検査・医療体制の強化30.6億円▽帰国者・接触者外来、接触者相談センターの設置5.1億円▽検査キット、抗ウイルス薬・ワクチン等の研究開発10億円▽国際的なワクチン研究開発等支援事業10.7億円▽マスク生産設備導入補助4.5億円など
【水際対策の強化34億円】有症者発生時の感染の拡大防止に必要な措置30.2億円▽検疫体制の強化3.4億円など
【帰国者等への支援30億円】帰国者等の受入支援23.4億円▽防衛省による生活・健康管理支援3.2億円など
【国際連携の強化等18億円】アジア各国への検査体制充実への貢献16.5億円▽NGOを通じた支援1億円など
【影響を受ける産業等への緊急対応6億円】コールセンターの設置4.9億円▽雇用調整助成金1億円など▽(別途)日本政策金融公庫等による緊急貸付・保証枠5千億円