政府の観光戦略実行推進会議は9月28日、台風21号や北海道胆振東部地震に際して外国人旅行者への情報提供が不十分だった問題への対応として、「非常時の外国人旅行者の安全・安心確保のための緊急対策」を決定した。多言語対応のコールセンター、災害情報を通知するスマートフォン向けアプリ、鉄道や空港の情報提供などの機能、態勢を早急に強化する。
日本政府観光局(JNTO)の外国人旅行者向けコールセンターを通年・24時間態勢とし、英語、中国語、韓国語で対応できるよう10月中にも新たな体制を確立する。また、災害時にはJNTO内に情報発信の司令塔となる対策組織を設置し、ウェブサイトで情報を随時更新できるようにする。
アプリの活用では、JNTOの外国人向け観光情報アプリと、観光庁の災害情報提供アプリ「Safety tips」を機能統合し、災害発生情報のプッシュ型通知の拡大、災害時に必要な各種案内の強化を順次進める。2018年度内には作業を完了させる。
JNTOの認定を受けた全国各地の外国人向け観光案内所の態勢も強化を促す。非常用電源や携帯電話の充電機器の整備などを支援する。
災害時の交通機関の情報提供も改善を目指す。新幹線の車内や駅での外国語での案内を強化。空港では、多言語で応対可能な職員の確保、航空会社やテナントを含めた空港内の協力態勢の構築などに主要7空港から取り組む。