帝国データバンクはこのほど、新型インフルエンザに対する企業の動向調査を行った。それによると、回答企業の7割超が何らかの対策を行っていると回答。具体的には、「手洗い用の消毒液などの設置」「マスクや手袋など衛生用品・食料の備蓄」「社員・職員に対する新型インフルエンザの教育・啓蒙」などが多く挙がった。
7月以降で何らかの新型インフルエンザ対策を行っているとした企業は回答企業1万890社の73.0%(7953社)。今春時点では55.4%(6036社)だったが、17.6ポイント増加した。
企業の規模別でみると、大企業は82.0%で8割を超えているのに対し、中小企業は70.0%で、12.0ポイントの差があった。業界別では運輸・倉庫が82.5%と高い比率を示している。
現在実施している新型インフルエンザ対策(複数回答)は、事業継続に関する対策としては「マスクや手袋など衛生用品・食料の備蓄」が45.9%と最も多く、以下、「社員・職員に対する新型インフルエンザの教育・啓蒙」39.3%、「新型インフルエンザ関連の情報収集・連絡体制の整備」38.0%、「職場における感染予防・感染拡大防止策の策定」37.5%。
一方、従業員に向けた対策としては「手洗い用の消毒液などの設置」が51.7%と、半数を超える企業で実施されている。次いで、「咳エチケットの励行」33.9%、「本人または家族が罹患したときの出勤制限」30.3%、「マスクの着用」29.6%。
「海外指定地域への出張制限」や「国内指定地域への出張制限」は今年春時点から実施の割合が減少。それぞれ4.9%(今年春は8.7%)、3.9%(同7.5%)にとどまった。
新型インフルエンザ対策を実施する上で、何が最も障害になっているかを聞いたところ、31.2%が「特に障害はない」と回答した。ただ、22.6%が「人手・時間の不足」、10.8%が「社内の認識不足」、5.2%が「予算が取れない」と回答。「具体的に何をすべきか分からない」も17.5%に上った。