下電ホテルグループ「家族で疎開宿泊」 大和屋別荘「子ども2人まで無料」
新型コロナウイルスによる旅行の自粛で全国の旅館が集客に苦戦する中、独自のアイデアで活路を見いだしている旅館がある。
下電ホテルグループの鷲羽山下電ホテル(岡山県倉敷市)、ゆのごう美春閣(同県美作市湯郷温泉)はこのほど、新型コロナウイルスによるテレワーク推進、休校に対応した「疎開宿泊プラン」を自社サイト上で発売した。家族向けの連泊、長期滞在プランで、価格を低く抑えるとともに、朝食に客室で食べられる弁当を用意するなど他人との接触を避けたい人に配慮した。
鷲羽山下電ホテルは1泊目3300円、2泊目から2800円の設定。ゆのごう美春閣は2泊以上の宿泊で1泊6千円とする(いずれも1泊朝食付き)。
館内ではさまざまな感染症対策を実施。レストランでの混雑を避けたい人に朝食弁当を用意するほか、事前布団敷きのサービスでスタッフが何度も入室することの不安を解消している。館内の消毒、清掃、換気も徹底している。
グループの永山久徳社長は「在宅勤務や休校により、家庭で増える新たな負担を軽減したいと考えた。混雑が見られない自然環境豊かな地で、家族と過ごす生活も検討していただきたい」と話している。
愛媛県道後温泉の大和屋別荘は、「贅沢(ぜいたく)な給食」と題した3月限定の子ども連れ家族プランを設定した。2人以上の大人が連れてくる小学生以下の子どもについて、2食付き料金を2人まで無料にする。
小学生は大人に準ずる会席料理、小学生未満は「お子様セット」を用意。「当館は部屋食なので他のお客さまと接する時間がほとんどない。春休みの家族旅行を応援したい」と同館。