日本政策金融公庫はこのほど、「新規開業パネル調査」の結果を公表した。2011年に新規開業した同公庫取引先3046社の平均月商は、2011年末の256万円から2015年末に540万2千円と、およそ2倍に。黒字企業の割合も55・4%から78・5%に上昇するなど、新規開業企業がおおむね堅調に成長している実態が分かった。
平均月商は2011年末から2015年末まで、256万円、345万円、422万8千円、442万9千円、540万2千円と毎年上昇。
採算ベースでも、黒字の企業割合が2011年末から2015年末まで、55・4%、72・5%、78・2%、78・5%、78・5%と、ほぼ毎年上昇している。
「開業の満足度」は、「大いに満足」が22・4%、「やや満足」が42・2%、「どちらともいえない」が21・5%、「やや不満」が10・1%、「大いに不満」が3・8%。
「満足」の構成比から「不満」の構成比を引いたDIは50・7と、2011年末調査の68・4から低下も、依然として高い水準になっている。
業種別の平均借入状況は、飲食店、宿泊業(回答数105社)が652万円。このうち日本政策金融公庫からが386万円、民間金融機関からが236万円、地方自治体からが30万円。
開業時との比較では、日本政策金融公庫からが302万円減少したのに対し、民間金融機関からが147万円、地方自治体からが10万円それぞれ増加している。
経営上の課題を複数回答で聞いたところ、「顧客開拓・マーケティングがうまくいかない」が31・1%と最も多かった。以下は、「従業員の人数が不足している」28・7%、「必要な能力を持った従業員を採用できない」25・0%、「経費(人件費・家賃・支払利息など)がかさんでいる」19・3%、「原価(仕入れ・外注費)がかさんでいる」18・9%、「受注単価・販売単価が安い」17・1%など。
2011年末からの調査では、「顧客開拓―」の回答割合が減少傾向、「従業員の人数―」の回答割合が増加傾向にある。