東京商工リサーチによると、今年上半期(1~6月)の旅行業の倒産(負債額1千万円以上、法的倒産と私的倒産を含む)は13件で、前年同期比13.3%減少した。3年ぶりに前年同期を下回り、上半期ではこの20年間で最少を記録した。また負債総額は7億9300万円で、同96.1%減少。4年ぶりに前年同期を下回り、過去20年で初めて10億円を割り込むなどこちらも最少となった。
負債5億円以上の倒産がなく、同1千万円以上5千万円未満が7件、同40.0%増。小・零細規模の倒産中心の傾向が強まった。
原因別では、「販売不振」が10件で、倒産全体に占める割合は76.9%。前年同期比16.9ポイント上昇した。以下、「既往のシワ寄せ(赤字累積)」が2件、「その他(代表者の死亡)」が1件。
「旅行業界では個人旅行を中心に、インターネットを利用した航空券や宿泊予約を行うスタイルが広がっている。こうした消費者ニーズの変化で、主に対面販売の営業スタイルで取り組んでいる中小・零細企業を取り巻く環境は厳しさを増している」(同社)。
6月単月の倒産は3件、負債総額2億1千万円。件数は前年同月と同数、前月比では40.0%減少した。額は前年同月比50.6%、前月比29.3%それぞれ減少した。