新型コロナウイルスの感染拡大で全国の旅館・ホテルが休業を余儀なくされる中、料理などのテイクアウトに取り組む事業者が増えている。
京都市中京区の「松井本館」は、「家庭や会社にいつもより少しぜいたくな旅館の京料理弁当を配達します」と、特製の「六角御膳」を近隣に配達している。「季節の食材をふんだんに使った本格的な京懐石」で、価格は2500円。ほかに「お子様ランチ」(1200円)、「料理長の白味噌チーズケーキ」(500円)などを販売している。2日前までに電話で予約が必要。
長野市の「裾花峡温泉 うるおい館」は、「うるおい日替わり弁当」を中心に、「さば味噌煮弁当」や「ソースかつ弁当」など、全7品を販売。価格は500~700円で、多い日は100食近く売れるという。
秋田県仙北市夏瀬温泉の「都わすれ」は、温泉の無料の持ち帰りサービスを始めた。泉質は保湿効果が高い弱アルカリ性。「柔らかくて心地よい温泉水をコロナ疲れの癒やしに利用してほしい」と始め、秋田県内からの利用者を中心に、多い日では30件ほどの利用がある。
山梨県笛吹市石和温泉の「旅館深雪温泉」も温泉の持ち帰りサービスを行っている。柔らかなアルカリ性の泉質で、リウマチや関節炎に効果があるという。利用者は施設の玄関先にある湧出口から源泉をくんで持ち帰る。自宅で本物の掛け流し温泉が楽しめると好評だ。