帝国データバンクがこのほど行った景気動向調査の6月分で、旅館・ホテルの景気DI(0~100、50が判断の分かれ目)は前月比3.0ポイント減の52.1。判断の分かれ目の50を超えたものの、3カ月連続で前月を下回った。51の業種別では前月の2位から3位に後退した。「好調なインバウンドに支えられつつも、国内旅行者が低迷」と同社。
全業種計は前月比0.2ポイント減の43.3と、3カ月連続で悪化。「国内景気は円安に伴うコスト負担の高まりや個人消費の落ち込みにより改善が進まなかった」(同社)。
旅館・ホテルは今年3月に60.6と、51の業種別で唯一の60台。4月も60台(60.4)を記録したが、数字は下降し、順位も電気通信(61.7)に次ぐ2位に後退。5月(55.1)も電気通信(56.7)に次ぐ2位。6月は情報サービス(54.1)、電気通信(52.8)に次ぐ3位となった。ただ、回答社30社以上の業種に限ると情報サービスに次ぐ2位となっている。
回答社30社以上の業種では、3位以下は専門サービス(50.5)、リース・賃貸(49.0)、人材派遣・紹介(48.5)、飲食店(48.1)、不動産(48.0)が続いている。
10の業界別では、6業界で悪化した。このうち旅館・ホテル、娯楽サービスなどの「サービス」が49.2。業界別で最高も、前月比0.5ポイント減と3カ月連続で悪化した。
小売は同0.4ポイント減の40.3。飲食料品小売(0.6ポイント減の42.6)は節約志向から来店頻度や購入点数の減少が響き、3カ月連続で悪化した。
運輸・倉庫は同0.1ポイント増の43.4。
10の地域別では北陸など6地域が悪化、東北など4地域が改善した。
北陸は同1.6ポイント減の40.7と2カ月連続で悪化。域内4県が2年5カ月ぶりに全て悪化した。「能登半島地震からの復旧・復興に遅れがみられ、『建設』は再び悪化に転じた。国内旅行が伸び悩む一方で、インバウンド消費は好調だった」(同社)。
景況感について、回答企業の主な声は次の通り。
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