自民党観光立国調査会の観光基盤強化に関する小委員会(鶴保庸介小委員長)が17日、「民泊」問題をテーマに開かれた。日本旅館協会、日本ホテル協会が招かれ、意見を述べた。日本旅館協会の針谷了会長は、現状の違法営業には取り締まりの強化を求め、規制緩和の動きに対してはイコールフッティング(競争環境の平等化)を要望して反対の姿勢を示した。
日本旅館協会と日本ホテル協会は、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会、全日本シティホテル連盟との連名で、小委員会に対し、民泊営業の規制緩和に反対する要望書を5日に提出している。両協会は、要望書に追加して小委員会で意見を述べた。
針谷会長は、規制緩和の動きに対して「イコールフッティングにしてほしい。ホームステイのような民泊まで否定しないが、空きマンションでもうけるような営業は問題」と主張した。
また、針谷会長は、外国人の急増に伴う大都市部での宿泊需給のひっ迫の指摘に対しては、「(宿泊施設や空き室の)情報が適切に発信されれば、周辺地域に流れて需要をまかなえる」と指摘したほか、宿泊施設の開業計画、旅館・ホテル業への参入などを背景に、大都市部の需給も、民間の投資で将来的には改善が可能との見通しを示した。
日本ホテル協会は、宮武茂典専務理事が出席。宮武専務理事は、民泊には防災、衛生、防犯、近隣への影響などの面で課題があると指摘した上で、「宿泊者、利用者の安全、安心の観点と、近隣住民の日常生活に不安や不満が生じることがないように十分な議論が行われ、適切な措置が講じられることを切に要望する」と述べた。