日本旅館協会北海道支部連合会は10日、宿泊実績調査の4月の結果を発表した=表。対象施設120軒のうち107軒が回答。前年同月比で宿泊人員は143.2%増となったが、コロナ禍以前の2019年の同月比では63.9%減と4割未満だった。
宿泊人員の月別の前年同月比は、12月が62.1%減、1月が77.7%減、2月が69.5%減で推移。3月が28.5%増と増加に転じたが、依然コロナ禍以前の水準を大きく下回っている。
4月の宿泊人員の内訳は、訪日客は入国制限などが続き、前々年比で大幅減。前年同月比で39.5%減となった。国内客はやや持ち直し、同143.6%増だった。
新型コロナウイルス感染状況が好転せず、積極的な誘客ができない状況が続いた。利用者、事業者の双方が徹底した感染拡大防止策をすることで「新しい旅のスタイル」を構築し、定着、普及させていく観光需要喚起事業が4月2日から北海道内で始まり、道内の人流がわずかながら動き始めたのを機に誘客を図った施設も見られた。
回答旅館からは、4月の動向について次のような声が上がった。
「イベントなどは全くなし。ビジネス連泊のお客さまが戻って来たので前年より増えた」
「1、2月はコロナ第2波の緊急事態宣言で売り上げが半減したが、3月からほぼ平常の売り上げになり、4月は一昨比で25%アップとなった」
「あくまで当館利用者の分析ではあるが、昨年と今年の3、4月の利用者を比べると、圧倒的に70代以上の割合が増加していることと、30代以下の利用割合も増加していることから、コロナ禍の中、コロナ慣れしてしまっている人の割合が増えているのは若者と高齢者なのかもしれないと感じる」
「新しい旅のスタイル割も限定的で大きな効果はないがありがたい」
「『定山渓どこでもクーポン』のおかげで集客できたが、3月27日以降の中止により、伸びが少なくなってしまった」
「相変わらず団体旅行の需要はなく、個人客のみで集客している」
「桜の開花が早く、ゴールデンウイークは観光客でにぎわった」