自民党の観光産業振興議員連盟(細田博之会長=衆院島根1区)は1月17日、東京の自民党本部で総会を開き、旅館・ホテル団体と都道府県観光産業振興議員連盟から税制改正やNHK受信料問題、水質汚濁防止法問題など、直面する課題について要望を聞いた。
全国旅館政治連盟の佐藤信幸理事長(全旅連会長)と日本ホテル協会の大橋寛治会長は、2013年度税制改正要望についてそれぞれ述べた。
佐藤理事長は、消費税率が上がった場合、価格と税額の「総額表示」から「外税表示」方式にして、税額を宿泊料金に転嫁しやすい体系にすることと、交際費の全額損金算入を要望。また2015年度の見直しが11年暮れに閣議決定された旅館・ホテルの建物にかかる固定資産税について「何年経過しても建物の評価額が下がることがなく、税負担が重くのしかかっている」現行の評価方法を改めるよう求めた。
日本ホテル協会の大橋会長と橋本雅之専務理事は、固定資産税の負担軽減、交際費課税の見直し、印紙税の廃止などを求めた。
都道府県観光産業振興議員連盟の北林康司幹事長(秋田県議会議員)は、温泉の排水を規制する水質汚濁防止法について、対象業種から旅館を外すよう要望。東日本大震災の被災地とその周辺への課外授業と修学旅行の実施にも努めてほしいとした。
旅館業界からは、NHK受信料体系の見直し、民間と競合する公的宿泊施設の改革についても言及があった。
出席した議員は、同席した観光庁、厚生労働省、環境省などの担当者からそれぞれの問題について事情を聴取。解決に向け、さらに議論を進めるよう強く要望した。
観議連は自民党の衆参議員117人で構成。先の衆院選を受け、49人が新たに入会した。
議員に陳情する旅政連の佐藤理事長(左。右端が観議連細田会長)