日本と中国の観光担当大臣の会談が11月24日、東京都内で行われ、石井啓一国土交通相と、来日した中国の李金早国家旅游局長が観光協力に関する覚書に著名した。両大臣は2017年の日中国交正常化45周年などを契機とした観光交流の拡大で合意。地方間交流、青少年交流、文化・スポーツ交流を「3つの架け橋」として取り組みを強化する。悪質なツアーなどの是正にも連携して対処していく。
今年8月に中国・武漢で開催が予定されていた日中韓観光大臣会合が、現地の水害などで延期になったため、石井国交相と李局長が会談するのは初めて。日中国交正常化45周年の17年に加え、日中平和友好条約締結40周年の18年に向けて観光協力の強化について話し合った。
会談の冒頭では、石井国交相が「両国にとって節目の年を控え、日中双方向の観光交流を拡大することが重要」と述べると、李局長が「観光交流は両国民に利益をもたらし、相互理解にも積極的な役割を果たしている」と応じた。
李局長は、日中国交正常化45周年などを踏まえた交流行事を開催する案も提案した。
締結した覚書の主な内容は、(1)日中間の双方向の観光交流の拡大(2)東アジア域外からの観光客誘致に向けた連携強化(3)観光サービスの質の向上への協力(4)旅行者保護を目的とした観光市場の監督強化―など。
観光市場の監督強化では、「不合理な格安ツアー、観光客への買い物の強制、その他観光市場の秩序に影響を与える違法などの是正」との表現で、旅行者の利益を損なう悪質なツアーなどの是正に両国が連携することが盛り込まれた。