日台観光推進協議会(会長・西田厚聰日本観光振興協会会長)は6月29日、石川県金沢市の金沢ホテルで、「日台観光サミット」を開催した。東日本大震災による風評被害の払拭と、日台間のさらなる観光交流の拡大が狙い。サミットでは来年を「日台観光促進年」と位置づけ、青少年の教育旅行による交流を強化することなどで合意した。来年のサミットは台湾・花蓮県で開くことも決まった。
サミットは今回で4回目。日本と台湾の観光関係者約120人が参加。来賓として溝畑宏観光庁長官、谷本正憲石川県知事、頼瑟珍台湾交通部観光局局長らが出席した。
冒頭挨拶した西田会長は「昨年は台湾から日本へ約128万人、日本から台湾へは110万人が訪れた。現在の厳しい状況を乗り越え、日台間の相互交流300万人という目標を実現するため、全力を尽くすことが重要だ」との認識を示した。
これに対して、台日観光推進協議会の周慶雄会長(台湾観光協会会長)は「現在、一時的に東日本大震災の衝撃を受けているが、台日交流は回復すると信じている」と述べた上で、「(震災の)マイナス面の影響が収束すれば、300万人という目標はすぐに達成できるだろう」と強調した。
基調報告した日本旅行業協会の金井耿会長は、「日台の交流が持続的に拡大するためにはそれぞれの伝統・文化はもちろん、ハード・ソフト両面の新たな魅力を発掘し、発信し続けることが重要になる」と述べた。
このほか、日台間の航空需要創出や日台観光交流年の共同プロモーションのあり方などについて意見交換した。
サミットでは教育旅行の交流強化を図ることで合意したが、台湾観光協会によると、教育部(日本の文部科学省に相当)は02年に「台湾国際教育旅行連盟」を設立し、海外教育旅行を推進。日台間の教育旅行の相互訪問数は03年に889人だったが、07年には1万2907人にまで増加。
新型インフルエンザやリーマン・ショックなどの影響で10年は9718人にとどまっているが、相互訪問学校数は伸びているという。
サミットではまた、ホームページや双方の旅行博覧会などでの宣伝、双方のロゴを使用した旅行商品の販売を通じて、さらなる観光の発展を目指すことでも一致した。
日台双方の観光交流促進について話し合った(6月29日、金沢ホテルで)