日本政府観光局(JNTO)が集計した2016年の日本国内の国際会議開催件数は、前年比9・6%増(274件増)の3121件となり、過去最高を記録した。国際会議の総参加者数は前年から増え、外国人参加者数は初めて20万人を超えた。
集計対象は、民間企業以外が主催する国際会議で、参加者数が50人以上、参加国が日本を含めて3カ国以上。全国のコンベンション推進機関などの情報を基にまとめた。
開催件数が多い上位10都市は、(1)東京都574件(2)福岡市383件(3)京都市278件(4)神戸市260件(5)名古屋市203件(6)横浜市189件(7)大阪市180件(8)仙台市、札幌市(同数)115件(10)北九州市105件。
開催件数の増加が目立つのは、神戸市の147件増、京都市の60件増、大阪市の41件増。3都市はいずれも、観光庁が選定する「グローバルMICE都市」で、国際会議などMICEの誘致、開催の国際競争力強化に関して支援を受けている。
仙台市は、15年に国連防災世界会議の関連会議が多数開催されていたため、開催件数は106件減で順位も15年の3位から8位に下降した。
国際会議の総参加者数は、前年比5・3%増の186万1千人。このうち外国人参加者は同22・3%増の21万4千人。外国人参加者が最も多かった国際会議は、16年6月に福岡市で開催された「第99回ライオンズクラブ国際大会」で約1万2千人が参加した。
日本国内での国際会議の開催件数は、東日本大震災が起きた11年には落ち込んだが、12年以降は年々増加し、16年には3千件を超えた。
JNTOでは「官民の積極的な連携によりMICEに対する取り組みは着実に成果を上げている。今後、グローバル・ブランド・キャンペーンの展開をはじめ、各都市とも緊密に連携し、国内各地での国際会議の一層の誘致促進、強化に取り組んでいく」としている。