日本の宿を守る会、外客向けにHP作成へ


藤沢秀悟会長

藤沢秀悟会長

 朝日旅行協力会の部会の1つ、日本の宿を守る会(会長=藤沢秀悟・藤井荘社長、54会員)は12日、福島・磐梯熱海温泉の四季彩一力で第31回通常総会を開いた。会の基幹事業であるスタンプ10回で1泊無料招待するスタンプ帳事業や、外国人向けのホームページ(HP)の作成、支部会の開催などについて討議し、今後の方向性を確認した。

 総会には26会員が参加。冒頭あいさつした藤沢会長は「バブルの崩壊、リーマン・ショック、東日本大震災と続き、経営は決して楽ではないが、故・岩木一二三氏(朝日旅行創立者)の『お客さまに対して誠実であれ』の言葉を思い出し、日本の宿のあるべき姿を守っていかなければならない」と述べた。その上で「皆で議論を重ねて、試練に打ち勝ちたい」と決意を語った。

 2013年度の事業計画について藤沢会長は、スタンプ帳事業が曲がり角に来ていると指摘。「会員の取り組み姿勢にばらつきがあり、事業の趣旨を理解していない会員がいる。会員の意識改善がなければ根本的に見直すか、中止もやむを得ない。覚悟を持って取り組んでほしい」と厳しい考えを示した。

 外国人向けのホームページ作成については、「日本の宿」のブランディングを強化したホームページ作りを、アジアと欧米に強いネット業者と進めているとの報告があった。会員からは「遅かれ早かれお客さまを海外に求めなくてはいけなくなる」「外国人の旅行客は連泊をするので、客室数が少ない宿では対応が難しい。会で空室を共有し、外国人旅行客が泊まり歩けるよう工夫してはどうか」などの意見が出た。

 また、朝日旅行の井沢啓社長は「旅行業界は日本の少子高齢化、人口の減少を考え、10年後、20年後を見据えた議論を始めなければならない時期にきている。旅館のおもてなしの文化を日本文化として守っていくために、欧米のホテル並みに優位性を高めていかなければならない。今総会をスタートとして会の存亡をかけてブランド作りにまい進してほしい」と激励した。

 総会では今後もスタンプ帳事業について意見を募ることや若手研修会、支部会の開催、パンフレットの刷新に取り組むことを決めた。

藤沢秀悟会長
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