日本アセアンセンターは、日本とASEAN諸国における持続可能な観光促進を目的とした新規事業「インタープリテーション計画研修」を実施する。
国際機関日本アセアンセンター(東京都港区新橋6-17-19 新御成門ビル1階 事務総長:藤田正孝)は、2017年9月12日(火)から15日(金)迄、ASEAN[注1]加盟10カ国と日本の遺産地区・施設のインタープリター/ガイド/コミュニケーター並びに現場管理者を各国2名招聘し、「インタープリテーション計画」について学び、実際に計画を作る研修を、東京都内及び山梨県清里にて初めて実施します。
「インタープリテーション」とは、聞き手(観光客)が観光資源の価値を理解し、正しく評価できるように促すためのコミュニケーション手法です。本研修では、遺産地区・施設の管理・適正な維持に必要な視点や観光資源に係る問題に配慮しながらビジター・サービスを実施するための指針を示す「計画」を策定するトレーニングを行います。
<<研修の実施背景・趣旨>>
現在、「持続可能な開発」が開発の潮流となる中、観光開発の分野でも「持続可能な観光」[注2]の促進が、貴重な観光資源の保護、良質なビジター・サービスの提供、観光地域の住民の生活向上のために不可欠な取組みとして、世界的に注目されています。観光客に観光資源についての理解を深めてもらうことは持続可能な観光において欠かすことのできない要素であることから、インタープリテーションというコミュニケーション手法は、持続可能な観光の開発・管理・運営に必要なツールとされています。観光地となっている遺跡地区・施設において、観光従事者がインタープリテーションを実践することで、観光資源の保護と、資源に関する知識を持つ支援者の増加が期待されています。
この度、センターが実施するインタープリテーション計画研修では、この持続可能な観光へのアプローチを念頭に、インタープリテーションを用いて、ビジター・サービスの計画を練る訓練を行います。計画には、ビジター・サービスの戦略的な運営と管理の仕方についても盛り込みます。
なお、センターでは、日本とASEAN諸国での持続可能な観光産業の育成に寄与することを本研修の長期目標としており、以下の点に注力して事業を実施します。
- 日本とASEAN諸国の遺産地区・施設におけるインタープリテーション計画の必要性に対する認識を、日・ASEAN諸国内で更に高めること。
- 日本とASEAN諸国から参加する遺産地区・施設の管理職レベルの従事者(例:シニアインタープリターや管理者)のインタープリテーション計画に関する技能を向上させること。
- 日本とASEAN諸国からの参加者が担当する遺産地区・施設でのビジター・サービスと資源保護の質を向上させること。
また、センターでは、本研修後に参加者に対してフォローアップを行い、持続可能な観光地管理の更なる普及と改善を図ります。
▼関連サイト:「インタープリテーション計画研修」参加者募集
http://www.asean.or.jp/ja/tourism-info/20170731/
<<概 要>>
◆実施時期:2017年9月12日(火)~9月15日(金)
◆実施場所:東京都内、山梨県北杜市(清里)
◆使用言語:英語
◆主 催:国際機関 日本アセアンセンター
◆協 力:Southeast Asia Tourist Guide Association (SEATGA)
◆対 象:日本とASEAN加盟国の遺産地区・施設のシニアインタープリター/ガイド/コミュニケーター及び日本とASEAN加盟国の遺産地区・施設の現場管理者
◆日 程:
9月12日(火) | 江戸東京博物館視察 -テーマに沿ったインタープリテーションの体験-(東京都墨田区)。清里(山梨県北杜市)へ移動 |
9月13日(水)~15日(金) | トレーニング・セッション(山梨県清里) |
[注1] ASEAN(東南アジア諸国連合)とは、1967年に結成された地域協力機構。加盟10カ国(ブルネイ・ダルサラーム、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)の総人口は6億3千万人を超える。 [注2] 持続可能な観光とは、自然環境や地域文化にかかる負荷を低く抑えつつ、所得と雇用を生み出し、自然生態系を保全しながら、観光業の発展を目指す概念。
<<国際機関日本アセアンセンター>>
◆東南アジア諸国連合貿易投資観光促進センター
ASEAN10カ国政府と日本政府により1981年に設立。
貿易・投資・観光・人物交流の4分野を中心に、ASEAN商品の輸出促進、日系企業の進出支援、人材育成、日ASEAN間の観光促進等を通して、日本とASEAN諸国との関係促進に貢献する国際機関です。
URL: http://www.asean.or.jp