日本旅館協会、21年度も本部会費全額免除


浜野浩二会長

理事会開催、支部連合会費半額も継続

 日本旅館協会(浜野浩二会長)は16日、東京都内で理事会を開いた。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う会員施設の経営悪化に配慮し、2020年度に続き21年度も本部会費を全額免除し、支部連合会費を半額とする方針を示した。

 2020年度決算では本部会費の免除などによる収入損失が生じたが、コロナ下で委員会がリモート開催になったことに伴う委員会費、開催回数が減ったことに伴うセミナー費など、事業費支出が大きく減少したこともあり、収支は大幅に改善される見込み。繰り越し金なども盛り込み、21年度も本部会費の全額免除、支部連合会費の半額措置を継続し、コロナ収束を見据え新型コロナウイルス対策事業費を大規模に計上する。

 コロナ下の現状について浜野会長は冒頭、「Go Toトラベル事業の再開について国会議員の先生方への陳情を続けているが、世論を意識せざるを得ない状況が続く。各地の商工会議所や1次産業従事者の皆さんを巻き込み、人、モノが動かないと地域産業は大変だ、という切実な声を盛り上げることが、国会議員の先生方を動かすことにつながると思う。広範に根強い運動を皆さまにお願いしたい」と述べ、Go Toトラベル事業再開に向けたさらなる団結を会員施設に呼び掛けた。

 また、理事会に先立ち、医師で国際医療福祉大学医学部の和田耕治教授を招き、「いま、改めて知りたい新型コロナウイルス感染症とわたしたちができること」と題して講演会を実施した。和田教授は、「人の手に触れる箇所から起こる接触感染よりも、咳やくしゃみなどによる飛沫感染と、その飛沫核が空気中に浮遊して起こるマイクロ飛沫感染の対策により注力すべき」と述べ、飛沫関連の感染対策の重要性を説明した。3密対策については「密閉空間と密集場所を避ける努力は事業所が行うべきだが、間近で会話や発声をする密接場面はお客さまに依存する」と解説し、各事業所が利用客と連携し、相互理解のもとで3密対策を進める重要性と意義を伝えた。出席者からのGo To事業に関する質問に対しては、「家族だけ、4人以内、平日限定など、『小規模分散型』旅行にのみ適用すれば事業は停止しなかったと思う」と述べ、同事業を制限付きの小規模旅行に限り適用すれば長く継続できるとの考えを示した。

浜野浩二会長

和田耕治教授

 
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