日本旅館協会が設立記念式典、3400会員の力結集


日本旅館協会の役員と来賓で行った鏡割り

日本旅館協会の役員と来賓で行った鏡割り

 日本観光旅館連盟と国際観光旅館連盟の合併により発足した日本旅館協会は18日、設立記念式典を東京都新宿区の京王プラザホテルで開いた。日・国観連それぞれの設立から60年余り、日観連の1989年度総会で合併が提起されてから23年、紆余曲折を経て実現した合併を祝うと同時に、厳しい経営環境にある旅館・ホテル業の発展に団結して力を尽くすことを誓い合った。

 日観連と国観連は今年6月の通常総会でそれぞれに合併契約を承認。今月1日、一般社団法人として日本旅館協会が発足した。会員数は全国の旅館・ホテル3381軒。会長には佐藤義正国観連会長が就任。体制固めのため、今年度に限って置く会長代行には近兼孝休日観連会長が就いた。

 記念式典で佐藤会長は、新法人発足の喜び以上に会員の団結の必要性を強調。「経済の低迷、高齢化社会の到来による需要の減退などで宿泊産業をとりまく状況は厳しい。今、求められているのは会員の力の結集。協会は会員のために有効な施策を実行する。会員は何をできるかを考えて行動する。自らの力でこの荒波を乗り切ろう」と訴えた。

 両団体の合併は、旅館・ホテル業の経営環境の変化に対する時代の要請でもあった。両団体の会員数は日観連が80年に9367、国観連が81年に2383に上ったが、合併直前にはともにその半分以下になっていた。新法人は宿泊需要の創出、宿泊業の経営改善などの課題に取り組む。

 記念式典で発表された新法人のロゴマークにも、宿泊業の発展への思いを込めた。中央の図形は旅館の建物を象徴し、周囲の円は国内外から投宿する旅行者を表すという。

 記念式典とそれに続いて開かれた懇親会には、会員、来賓合わせて約350人が出席した。鏡割りなどが行われ、祝賀ムードにあふれたが、合併に至る道のりは順調ではなかった。2006年11月には1度は合併に基本合意しながら事実上の破談に。再び合併を目指す協議の中でも調整は難航することもあった。

 合併契約の中で来年度の会長に就くことが決まっている近兼会長代行は懇親会のあいさつで、合併の実現について「紆余曲折あったが、これほどの喜びは他にない。辛抱強く取り組んだ両団体の関係者、全国の旅館・ホテルの皆さまに感謝を申し上げたい」と述べた上で、「国や地方自治体に対して発言力のあるような強い団体にし、会員が5千まで増えるようにしたい」と力を込めた。

日本旅館協会の役員と来賓で行った鏡割り
日本旅館協会の役員と来賓で行った鏡割り

新法人のロゴマーク
新法人のロゴマーク

 
新聞ご購読のお申し込み

注目のコンテンツ

第38回「にっぽんの温泉100選」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 1位草津、2位道後、3位下呂

2024年度「5つ星の宿」発表!(2024年12月16日号発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」「5つ星の宿プラチナ」は?

第38回にっぽんの温泉100選「投票理由別ランキング ベスト100」(2025年1月1日号発表)

  • 「雰囲気」「見所・レジャー&体験」「泉質」「郷土料理・ご当地グルメ」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

2024年度人気温泉旅館ホテル250選「投票理由別ランキング ベスト100」(2025年1月13日号発表)

  • 「料理」「接客」「温泉・浴場」「施設」「雰囲気」のベスト100軒