日本旅館国際女将会(長坂正惠会長)は9月20日、9月定例会を「飲泉、源泉かけ流しの宿 観音温泉」(静岡県下田市)で開いた。全国から23人の女将らが出席。観音温泉の鈴木和江女将による講演「時の遊び」と館内見学会などを行った。
鈴木女将は講演で次のように話した。
武道家の父が、経営していたタクシー会社を売却して、この静岡県下田市の山の中に武道館を建てて、合宿所を始めた。ちょうど私が27歳の頃。山奥で乳飲み子を抱えて「これからどうしよう」と自問自答している時、温泉が噴き出た。この時、「温泉に命をかけよう、この温泉を自分のためではなく、人さまのために役立てよう」と決意した。来館したお客さまに喜んでいただけることが本当にうれしい。私たちサービス業には、人との出会いがある。それが素晴らしい。私たち女将は本当に恵まれている。
館内見学会では、敷地50万坪の一部に建つ旅館関連施設などを訪れた。武道館(体育館)、主に国内外の富裕層やVIPが来館時に使うヘリポート、トマト農園、ミネラルウォーター「飲む温泉 観音温泉」のペットボトル製造ライン、太陽光自家発電システムなどを見学した。
観音温泉はpH9.5のアルカリ泉で硬度1未満の超軟水。源泉温度は51度で毎分500リットルが湧出している。観音温泉水は、仏料理店のトゥールダルジャンでも飲料水や料理用水として使用されている。
ミネラルウオーターの製造ライン
講演する鈴木女将